先日発表された第73回ゴールデン・グローブ賞にて、『ブレイキング・バッド』(TVシリーズ)で大人気のブライアン・クランストンがドラマ部門 主演男優賞、またヘレン・ミレンも貫禄の演技で助演女優賞と主要2部門にてノミネートされた『TRUMBO』(原題)が、2016年夏にTOHOシネマズ シャンテ他にて全国公開されることが決定致しました。

SAG (Screen Actors Guild/俳優組合) 賞では、主演男優賞、助演女優賞、ベストピクチャー、最多3部門でノミネートされ、ニューヨーク映画批評家協会オンライン賞で作品TOP10にも選ばれております。
いずれもアカデミー賞前哨戦であり、作品への期待が高まって参りました。

物語は、ハリウッド黄金期に一番人気のあった脚本家ダルトン・トランボの家族愛・映画への熱い情熱が伝わる実話に基づいたものです。順風満帆に見えた彼の人生は、当時冷戦の影響により横行していた赤狩りの標的となり、下院非米活動委員会への協力を拒んだという理由で投獄され、釈放された後も、名前を変えることで、秘密裏に「ローマの休日」などの物語を書き、二度もアカデミー賞®を受賞しました。

トランボの物語は、アメリカでさえ、信条によって虐げられた人々がおり、言論の自由は未だに万人の者になっていない今の世界にも通じるメッセージなのです。
そしてこの過酷な状況の中、トランボを支え続けた家族、あるいはハリウッドの反共主義の代表格とも言えるヘレン・ミレン演じる映画コラムニスト、またハリウッドスター、映画脚本家、映画会社のスタッフなどが数々実名で登場し、ハリウッドの黄金期に思いを馳せることができる最高のエンタテインメントとなっております。

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執筆者

Yasuhiro Togawa