カンヌ、ヴェネチア、ベルリンの世界3大映画祭を受賞しているイタリア映画界の巨匠ナンニ・モレッティ監督の最新作『Mia Madre』がこの度、日本公開タイトル『母よ、』として2016年3月Bunkamuraル・シネマ、新宿シネマカリテほかにて公開されることが決定いたしました。

ナンニ・モレッティ監督が『ローマ法王の休日』以来、4年ぶりに手がけたのは仕事と家庭で悩みを抱える働く女性を主人公とした”家族のありかた”を問う感動作。本作の主人公は、恋人と別れ、娘との関係も上手くいかず、さらに入院中の母の世話を抱えている女性映画監督マルゲリータ。仕事も新作映画撮影にアメリカ俳優バリー・バギンズが参加し始めた途端、思うように撮影が進まず、イライラが募るばかり。そんなマルゲリータにさらに追い打ちをかけるよう、病院から母親の余命がいくばくもないことを宣告されてしまう。母親の死と向き合ったマルゲリータはこれまでの自分を見つめ直し、この試練の時をどのように乗り越えるのか−。

主人公のマルゲリータを演じるのは『はじまりは5つ星ホテルから』他、ナンニ・モレッティ監督作常連の名女優マルゲリータ・ブイ。映画撮影現場に波乱を巻き起こすアメリカ俳優バリー・バギンズには『エクソダス:神と王』や『ジゴロ・イン・ニューヨーク』のジョン・タトゥーロ。さらにナンニ・モレッティ自身もマルゲリータが信頼する兄・ジョヴァンニ役で出演。本作は2015年カンヌ映画祭コンペディション部門エキュメニカル審査員を受賞したほか、イタリアのアカデミー賞と呼ばれるダヴィッド・ドナテッロ賞2015でマルゲリータ・ブイが主演女優賞を受賞するなど、ヨーロッパ各映画賞にノミネートも果たした。フランスの権威ある映画批評誌カイエ・デュ・シネマが2015年第1位に選んだ本作。時にユーモアを交えながら、現代に生きる人々が抱える苦悩が散りばめられている本作はナンニ・モレッティ監督の自叙伝的映画となっており、観る者の心は締め付けられ、静かな感動が広がる傑作となった。

映画『母よ、』は2016年3月、Bunkamuraル・シネマ、新宿シネマカリテほかにて公開

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執筆者

Yasuhiro TogawaYasuhiro Togawa