『男はつらいよ』をはじめ、『たそがれ清兵衛』『おとうと』『母と暮せば』など、50年以上にわたりその時代に生きる“家族”を撮り続けてきた山田洋次監督による、ファン待望の喜劇作品がいよいよ来年3月12日より公開となります。

結婚50年を迎えようとする夫婦。たまには妻に誕生日のプレゼントでも買ってやろうかと夫が欲しいものを聞いてみると、妻の答えはなんと・・・「離婚届」!一家に突然降りかかる、まさかの“熟年離婚”騒動を描く喜劇作品です。橋爪功×吉行和子が“離婚危機”に瀕する熟年夫婦を演じ、絶妙なコンビネーションを見せるほか、長男夫婦に西村雅彦×夏川結衣、長女夫婦に中嶋朋子×林家正蔵、次男カップルを妻夫木聡×蒼井優がつとめます。山田洋次監督が喜劇作品を発表するのは『男はつらいよ』シリーズ終了以来、20年ぶり。

 なんといってもファンをドキリとさせたのは『男はつらいよ』を想起させるそのタイトル。山田洋次監督は、本作の製作にあたって「男であり、女であり、人間であることは、難儀で厄介なことです。でも何とか、生きていかないといけない。そういう意味で、1969年から始まった寅さんシリーズに、『男はつらいよ』というタイトルをつけました。今回、それと全く同じ意味合いで、この映画に『家族はつらいよ』というタイトルをつけました。家族というのは、厄介で、煩わしくて、無くてもよいと思うこともあるのだけれど、やはり切り捨てるわけにはいかない。そのつらさを何とか切り抜けていかねばならない、そのためにあくせく大騒ぎする。そんな滑稽で不完全な人間を、表現したいと思いました。」と作品に込めた想いを語っています。

 完成したポスタービジュアルは、家に閉じ込められて所狭しと並ぶ一家のコミカルな表情が印象的。山田洋次監督の想いを受けて、厄介で煩わしくても切り捨てるわけにはいかない家族という関係性をイメージ。そしてその表情は、辛くても、笑って泣いて、喧嘩して、なんとか一つの家で生きていこうと奮闘する姿を象徴したデザインに仕上がっています。山田洋次監督に「最高のアンサンブル」と言われたキャスト8名がどのようなドタバタ劇を繰り広げるのか、想像を駆り立てられるビジュアルとなりました。そして、クスリと笑わせるのは離婚届を口にくわえ苦い表情をした飼い犬・トト。まさに「夫婦喧嘩は犬も食わない」という一家の大騒動が目に浮かびます。
 また、ポスター下段には『男はつらいよ』を彷彿とさせる思い切った題字があしらわれ、山田洋次監督の最新喜劇作品への期待の高さを感じることができます。

 かつて「男はつらいよ」シリーズが日本中に大きな笑いを届けたあの頃のように、笑い、身につまされる春が待ち遠しく感じるビジュアル。まさに寅さんの精神を受けて誕生した、新ポスターとなりました。

なお、本作の前売券(一般/ムビチケ1,400円)(シニア/紙券1,100円)が、12月12日(土)より発売開始となります。

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執筆者

Yasuhiro Togawa