スカパー!、ケーブルTV、ひかりTVほかで放送中の日本映画専門チャンネル(東京都千代田区/代表取締役社長・杉田成道)では、本年9月に死去した女優・原節子さんを追悼し、12月19日(土)あさ6時より「24時間まるごと 思い出の原節子」と題し、小津安二郎監督「小早川家の秋」、黒澤明監督「わが青春に悔なし」、成瀬巳喜男監督「めし」、今井正監督「青い山脈」など、日本を代表する4人の巨匠が手掛けた原節子さん出演作8作品を一挙放送いたします。

 その神秘的な美しさで日本を代表する女優として活躍した原節子(はら・せつこ、本名・会田昌江)さんが9月5日に亡くなられていたことがわかりました。95歳でした。

 1920年横浜市生まれ。35年日活に入社。同年の「ためらふ勿れ若人よ」(田口哲監督)でデビュー。
原節子という芸名はこの映画の役名から取られました。
時代劇「河内山宗俊」(36・山中貞雄監督)での清純さが注目され、「巨人傳」(38・伊丹万作監督)、「田園交響楽」(38・山本薩夫監督)など、その日本人離れした容姿と美貌で一気にスターへと上りつめました。

 戦後は、黒澤明監督の「わが青春に悔なし」(46)、木下惠介監督「お嬢さん乾杯!」(49)、今井正監督「青い山脈」(49)、小津安二郎監督「晩春」(49)「東京物語」(53)、成瀬巳喜男監督「めし」(51)「山の音」(54)など、数々の名作に主演、熱狂的な人気を集めるとともに数々の女優賞に輝き日本映画界を代表する大女優としての評価を不動のものとしました。

 その後は、小津監督の「東京暮色」(57)「秋日和」(60)「小早川家の秋」(61)、成瀬監督の「娘・妻・母」(60)などで円熟期を迎え、1962年、42歳の時に出演した「忠臣蔵 花の巻・雪の巻」を最後に突然引退、公の場に姿を見せなくなり、日本映画界の伝説的な存在となっていました。

 日本映画専門チャンネルでは、小津安二郎、黒澤明、成瀬巳喜男、今井正という日本映画を代表する巨匠たちが手掛けた原節子さん出演作8作品を12/19(土)あさ6時から一挙放送いたします。
 さらに、「驟雨」「小早川家の秋」で共演した俳優の故・小林桂樹さんが原節子さんの思い出を語った貴重なインタビュー映像(1999年放送)も合わせてお送りいたします。
 改めてスクリーンの中で色焦ることなく永遠に輝き続ける“永遠の処女”原節子さんの姿をご覧頂ければ幸いです。

 謹んで原節子さんのご冥福を心よりお祈りいたします。            

「24時間まるごと 思い出の原節子」放送作品

■小津安二郎監督作
・「小早川家の秋」(1961) 出演:中村鴈治郎/原節子/司葉子/森繁久彌
 世界的巨匠・小津安二郎監督が唯一東宝で撮影した家族ドラマ。

■黒澤明監督作
・「わが青春に悔なし」(1946) 出演:原節子/藤田進/大河内傳次郎/河野秋武
 京大事件を元に作られた、黒澤明の戦後初となった監督作品。

・「白痴」(1951)出演:森雅之/原節子/久我美子/三船敏郎
 黒澤明が敬愛するドストエフスキーの代表作を映画化した意欲作。

■成瀬巳喜男監督作
・「めし」(1951)出演:上原謙/原節子/島崎雪子/杉村春子
 夫婦の機微を描く成瀬巳喜男監督初期の代表作

・「驟雨」(1956)出演:原節子/佐野周二/香川京子/小林桂樹
 倦怠期にさしかかった夫婦をきめ細かく描いた成瀬巳喜男監督作

・「山の音」(1954)出演:原節子/山村聰/上原謙/杉葉子
 川端康成の原作を成瀬監督が映画化した一作。

■今井正監督作
・「青い山脈」(1949) 出演:原節子/池部良/杉葉子/若山セツコ
 主題歌も大ヒットした戦後青春映画の金字塔

・「続・青い山脈」(1949)出演:原節子/池部良/杉葉子/若山セツコ
 正編公開の1週間後に公開された「青い山脈」の続編。

チャンネル名称:日本映画専門チャンネル
■視聴方法:スカパー!(BSデジタル放送 BSch.255)/スカパー!HD(ch.634)/スカパー!光/ひかりTV/auひかり/ケーブルTV
■視聴可能世帯数:約746万世帯(2015年4月末調べ) 日本映画専門チャンネル公式HP:http://www.nihon-eiga.com/

執筆者

Yasuhiro Togawa