2014年 ロカルノ国際映画祭 特別大賞受賞作

この度、『ハンナだけど、生きていく!』に続く IndieTokyo の第 2 回配給作品としてダミアン・マニヴェル監督作品『若き詩人』(併映『犬を連れた女』)の公開が決定いたしました。

■ 世界の映画祭で注目される新鋭ダミアン・マニヴェル監督作品

監督のダミアン・マニヴェルは、『若き詩人』が長編処女作ながら、短編では既にジャン・ヴィゴ賞(『犬を連れた女』)、カンヌ国際映画祭批評家週間短編大賞(『日曜日の朝』)を受賞し、大きな注目を浴びています。また、『若き詩人』では、ロカルノ映画祭特別大賞を受賞したほか、各国の映画祭で様々な賞を得ました。この作品に深く感銘を受けた『やさしい人』のギヨーム・ブラック監督がフランス公開初日の劇場に駆けつけ熱烈な応援スピーチを行ったことも話題となりました。

■ DIY で作られた小規模な映画がフランス全国 20 館でロードショウ!

映画が生み出される瞬間の新鮮な気持ちとインスピレーションを何よりも重視し、着想からわずか一ヶ月で撮影されたこの 71 分の作品は、予算もなく、シナリオもなく、監督を含めわずか 4 名のスタッフによって 10 日間の撮影期間で作り上げられました。こうした「異例」の制作体制のため国からの援助を受けることができず、全て自費による DIY で作られたにも関わらず、『若き詩人』は多くの熱狂的ファンを生み出しました。「カイエ・デュ・シネマ」や「ル・モンド」などに絶賛評が並び、フランス全国 20 館もの規模でロードショウされるほど大きく成長したのです。それは、2015 年のフランス映画界で起きたささやかな奇跡だと言って良いでしょう。

■ トリュフォーやジャック・タチを想起させる瑞々しい傑作!

『若き詩人』と『犬を連れた女』で主演をつとめるレミ・タファネルと監督ダミアン・マニヴェルのコンビは、そのまま『大人は判ってくれない』から始まるジャン=ピエール・レオーとフランソワ・トリュフォーとのコンビを想起させます。また、その飄々としたユーモアは、草食系男子によるジャック・タチといったフレッシュな楽しみも観客に与えてくれるでしょう。『やさしい人』の映画監督ギヨーム・ブラックは次のように言います。「ダミアン・マニヴェルを知り、我々は確信する。極めて独特でありながら一貫する世界を持ち、最小限の条件の中でも素晴らしい作品を創り上げる作家がここにいるのだと」。

関連作品

http://data.cinematopics.com/?p=54372

執筆者

Yasuhiro Togawa