『舟を編む』で第37回日本アカデミー賞最優秀脚本賞を受賞した渡辺謙作の、『フレフレ少女』以来8年振りとなる監督作『エミアビのはじまりとはじまり』の製作・公開が決定致しました。

人気上昇中の漫才コンビ“エミアビ”の片割れ・海野が自動車事故で死んだ。遺された相方の実道はマネージャーの夏海を連れ、同乗していてやはり死亡した雛子の遺兄である黒沢に会いに行く。黒沢も数年前までお笑いの世界にいた、エミアビの先輩であり恩人だった。。。

TV「天皇の料理番」「64」などの演技で注目を集める森岡龍が、遺された相方・実道を演じ、映画『グラスホッパー』TV「おかしの家」など映画、テレビに幅広く活躍する前野朋哉が海野を演じる。
人気上昇中の漫才コンビという設定だけに、クランクイン前に漫才の練習を積んだ二人の息のあったコンビぶりが見ものです。
エミアビのマネージャー夏海を演じるのは、『小さいおうち』でベルリン映画祭最優秀女優賞を受賞し、TV「天皇の料理番」の好演も記憶に新しい黒木華。
そして、『百円の恋』『バクマン。』などインディーズからメジャーまであらゆる作品で独特の存在感を放つ新井浩文が、エミアビの先輩・黒沢を演じる。
さらに「週刊プレイボーイ」のグラビアでデビューし、「サンデージャポン」などのバラエティ番組にも出演し注目を集める山地まりが黒沢の妹・雛子を演じます。

撮影に藤澤順一(『八日目の蝉』)、照明に金沢正夫(『ソロモンの偽証』)と、ベテランスタッフが結集し創りあげた、たっぷり笑えて、ちょっぴり泣ける作品に乞うご期待下さい。

<コメント>
【渡辺謙作監督】
数年前、まわりでバタバタ人が死んでいった頃、物語の骨子を思いついた—
なんて書き出しだと辛気臭いけど、主役は漫才師でして、劇中ではガチで漫才やってます。
笑ってもらえりゃ嬉しいですが、やっぱ「笑い」は難しい! 再認識しました。
身近な死を乗り越えるには、「涙+笑い」っていう青くさいテーマを敷衍していったら、ロマンチックな青春映画になりました。
出てくるのはオッサンですけど。死ぬまで青春。死ぬまで跳びます。      

【森岡龍さん】
この映画が描いているのは「芸」にまつわるあらゆる感情、そして「芸」そのものだ。
果たして「芸」は身を救うだろうか。
少なくとも僕はこの映画を通して救われた思いがした。
ちょっと凄い映画になったと思う。是非、観て下さい。           

【前野朋哉さん】
「お笑い」の映画ですがとても哀しい映画です。
「人が死ぬ」映画ですが、とても楽しく希望溢れた映画です。
「おふざけ」満載の映画ですが、本気です。
是非ご覧いただけると嬉しいです。              

【黒木華さん】
「舟を編む」に続いて渡辺謙作さんの書かれる脚本は、今回で2度目ですが、
登場人物が魅力的で、いつも惹かれてしまいます。
今まであまりやったことのない役をやらせて頂き、とても楽しかったですし、完成が待ち遠しい作品になりました。
   
【新井浩文さん】
こんな情けない主演と映画を創ったのは初めてです。(笑)

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執筆者

Yasuhiro Togawa