豪華アカデミー俳優共演で贈る家族再生の物語を描いた映画『パリ3区の遺産相続人』が11月14日(土)よりBunkamuraル・シネマほかにて全国順次公開となる。本作は遺産相続されたパリのアパルトマンを舞台に、家族の再生を描いた作品で、公開を前に一般試写会が行われ、高い評価を獲得している。

本作の主人公は文無しのニューヨーカー・マティアス。疎遠だった父から相続したパリのアパルトマンを売却しに、人生の再起を賭けパリへとやって来た。しかしフランス特有の不動産システムである“ヴィアジェ”という不動産システムにより、その物件のオーナーであるにもかかわらず、現在住んでいる老婦人が亡くなるまで父が遺したアパルトマンを相続することができず、さらに一定金額のローンを毎月支払わなければいけないという。行き場所のないマティアスが始めた老婦人親子との同居生活によって、家族の過去と人生を見つめ直す人間ドラマが幕を開けていく。

本作の公開に先駆け一般試写会が行われ、上映後のアンケートでは、参加者の8割以上が“面白かった”と回答。「人は過ちをおかすけれど、いつでもまた幸せになれるチャンスがある」「ユーモアもペーソスもあり味わい深い」「他のパリ映画のように観光案内的でなくてよかった」など、大人を満足させる懐の深い内容であることが好評価を得た。

また、6割以上が本作を“予想していた内容と違う”と回答。さらに、どのように違っていたかを尋ねると、「明るい映画だと思っていたら結構シビアだった」と「深刻だと思っていたらコメディだった」とで、意見が割れる興味深い結果に。60〜70代の観客アンケートの中には、「遺産相続、家族の死など人生の後半に起こる話なので自分の世代と重なる」「老後の住宅問題など、身につまされる想いがした」といった世代的感覚を反映させた意見が多く挙げられた。また20〜30代では“遺産相続”“不動産”がメインに据えられていると思いきや、人間模様を細かく描き出す展開に「良い意味で裏切られた!」という声が続々。人生の光と影、喜びと悲しみ、憎しみと愛情—相反する二つの局面を優しい音楽とパリらしいウィットが包み込む、大人が見るべきエンターテイメント映画だ。

映画『パリ3区の遺産相続人』は11月14日(土)よりBunkamuraル・シネマほかにて全国順次公開。

関連作品

http://data.cinematopics.com/?p=54199

執筆者

Yasuhiro Togawa