メインキャストの平均年齢70歳超えという異色のキャストが話題を呼んだ映画『龍三と7人の子分たち』。「金なし、先なし、怖いものなし!ジジイが最高!!」というキャッチフレーズがまるでブームのように幅広い世代で話題となり、映画は大ヒットとなった。そしてこの秋、今度はミニシアターでお爺ちゃんお婆ちゃん映画のブームが到来!つきまして、注目のシニア映画についてニュースご掲載くださいますよう、お願い申し上げます。

11月14日(土)に公開されるのはマギー・スミスが出演する映画『パリ3区の遺産相続人』。マギー・スミスが演じるのは、ニューヨーカーのマティアスの亡き父の遺産として残した高級アパルトマンに住み着いていたお婆ちゃんのマティルド役。本作で実年齢79歳ながら90歳のお婆ちゃんを演じたマギー・スミス。腰が曲がり、杖を突いて歩く姿はどこか頼りなく哀愁も感じるが、マティルドから発せられる言葉は茶目っ気もあり、その自由奔放ぶりもどこか憎めない。娘の行く末を案じる母の顔も印象的で、映画全編を通して名女優マギー・スミスの名演技を堪能できる1作となっている。

11月28(土)に公開される『ハッピーエンドの選び方』は、発明が趣味の老人ヨヘンスケルが主人公。みんなの生活を少しだけ楽にしたいという想いから発明した“自分でスイッチを押すだけで静かに最期を迎えることが出来る装置”は評判を呼び、安楽死を希望する人々が殺到。そんな中で愛する妻が認知症を発症、ヨヘスケルは「妻との最期の時をどう迎えたいか」という問題に直面する。アカデミー賞外国語映画賞を受賞した『おくりびと』にインスパイアされて誕生したという本作は“人生の最期の迎え方”をユーモア交えて描く感動作に仕上がっている。

そして現在公開中の『海賊じいちゃんの贈りもの』には、『ホビット 決戦のゆくえ』(14)のベテラン俳優ビリー・コノリーがキーマンとなるお爺ちゃん役で出演。自身の折角の誕生日に集まった家族は皆が問題を抱え、その勝手ばかりに振り回されるお爺ちゃんと3人の子供達。ついには4人にある悲劇が襲いかかり、さらに大好きなお爺ちゃんの願いを叶えようと小さな3人の子供たちのピュアな想いがさらなる大騒動へ発展。お爺ちゃんと孫の物語は、壊れかけた家族を再生へと導く、笑いあり、皮肉あり、涙ありのハートフルコメディの決定版。誰もが共感する感動の物語に仕上がっている。

体力では勝つかもしれないが、お爺ちゃんお婆ちゃんもまだまだ元気、スクリーンでは現役バリバリの活躍をみせている。この秋、是非、劇場へ大活躍のお爺ちゃんお婆ちゃんに会いに行ってみてほしい。映画『パリ3区の遺産相続人』は11月14日(土)よりBunkamuraル・シネマほかにて全国順次公開。

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執筆者

Yasuhiro Togawa