あの『プラダを着た悪魔』で恋に仕事に奮闘し、ファッション業界でキャリアアップしていく姿を等身大で演じ世界中の女性から憧れの的となったアン・ハサウェイ。あれから9年、今度はアンがニューヨークのファッションサイトの社長を演じる最新作『マイ・インターン』が、公開3週目にして興行収入10億円を突破した。そしてロバート・デ・ニーロ出演作品では、『ハイド・アンド・シーク 暗闇のかくれんぼ』(05)以来10年ぶりの10億を突破した大ヒット映画となった。邦画洋画を合わせた興行ランキングでも、『ギャラクシー街道』、『メイズ・ランナー2 砂漠の迷宮』、『トランスポーター イグニション』など話題の新作が公開された中、公開3週目でも依然勢いは衰えず、平日の稼働も好調でその勢いはまだまだ増すばかりだ。

公開から19日目 10月28日(水) 観客動員数:776,076人 興行収入:1,026,064,000円
※公開日10月10日(土)

『プラダを着た悪魔』は公開日(先行公開含む)から17日目で10億円を突破したが、本作もわずか2日違いで本作も突破した結果となった。10代からシニア層までどんな年齢でも楽しめる作品であり、また男女ともに楽しめるのもヒットの要因だ。そして本作には所々“日本らしさ”が散りばめられているのも大きな話題を呼んでいる。

アン・ハサウェイ演じるジュールズはお寿司好きで、会議の時にはデリバリーで寿司を頼むというこだわりが見られる。日本人としては映画の中に日本食が出てくるとなぜか嬉しくなってしまうものだろう。さらにベンとジュールズが“サヨナラ”と別れ際に挨拶を交わすのも嬉しいポイントだ。サヨナラが何回か劇中に登場するのだが、監督のナンシー・マイヤーズはサヨナラの意味をこう明かしている。
「『恋愛適齢期』でダイアン・キートンと仕事をして以来仲良しなんだけど、私が“グッドバイ”って言うと彼女は“サヨナラ”って言うのよ。だから彼女から盗んだのよ(笑)ベンも優しくてチャーミングだからぴったりだと思った。それにサヨナラって可愛くて好きだわ」と映画の裏話を語っている。本作を観た人からも「アンとデ・ニーロが日本語で“サヨナラ”って挨拶していて嬉しかった。デ・ニーロがお茶目で可愛すぎ」や、「アンとデ・ニーロがサヨナラって言ってたのが印象的だった!寿司も出てきたし日本文化が出てくると嬉しい」など好意的な意見が目立っている。監督の好きな日本語が出てくるというのも大ヒットの一つの要因となっているのだろう。

65歳のハリウッドでも稀有な女流監督ナンシー・マイヤーズが、現代シニアの現状を軽快なコメディで描き、誰もが共感できる働く女性の姿を見事に描いた本作。幅広い年齢層の人でも楽しめる内容が、映画ファン、デニーロファンの男性も含め、幅広い客層の観客の共感を呼んでいるのだ。まだまだ好調な興行が見込める映画『マイ・インターン』の勢いは止まらない。

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執筆者

Yasuhiro Togawa