世界一のステーキを探すロードムービー、『ステーキ・レボリューション』が、
いよいよ2015年10月17日(土)に公開となります。
今回は、作品のタイトルでもある肉の「レボリューション(革命)」に注目しました。
世界で巻き起こっている肉革命には、どのような事情があるのか、
そして今日本が考えるべき「肉革命」とは一体何なのか。今世界で巻き起こる「肉革命」の一部をご紹介いたします。

■グラスフェッド or グレインフェッド? 飼料から見た肉革命
肉革命を考える上で今注目されているのが、グラスフェッドの牛か、グレインフェッドの牛かという点です。
グラスフェッドとは、穀物は一切与えず牧草を飼料として与えて育てることを指し、
主にヨーロッパ等の外国産赤身肉がこの方法で育てられています。
反対にグレインフェッドは、主に穀物を与えて肥育することを指し、霜降りの入った伝統的和牛が生み出されます。
映画『ステーキ・レボリューション』では、エコロジーの側面からこの点に注目し、
美味しいお肉を今後も継続的に食べ続けるためには、
グラスフェッドかグレインフェッドかを考える時代がきていると言及しています。
今回は、作品中でも紹介されている、グラスフェッドとグレインフェッドにまつわる肉革命についてご紹介いたします。

≪グラスフェッド≫
赤身の多い肉質で、肉本来の味が楽しめるのが特徴。
●ヨーロッパ
伝統的な放牧で育った牛の肉が輸入される。
イギリス最大規模のハイランド牛の農場があるマル島(スコ
ットランド)では、4歳前後まで自然の草を食べ、3歳から5歳
で出荷、人工飼料は一切使用しない。
グレインフェッドのように、肥料を与えて“短時間で”牛を育て
るのではなく、時間をかけて健康的に育てる。
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スウェーデンの革命 “アイ ワギュウ”
ヨーロッパで和牛のような“サシ”の入った牛を作ることを試みる。胚移植でスウェーデンに和牛を移植し、育てる。
牧草で育てることが味が良くなる絶対的な条件だと考えている為、牧草飼育を基本にした独自の飼育方法を取り入れる。

≪グレインフェッド≫
肥育期間が長いほど“サシ”が入り、味わいも優れた肉。
●アメリカ、日本
味が独特でクセがある為、牧草飼育の牛は使わない。
タンパク質を多く含んだ飼料を使うため脂肪分も多い。

神戸牛…脂身が筋肉の中にきれいについている。
松坂牛…飼料は脂質が多く、大きく霜降りの入った肉を最高
級肉とする。
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アメリカの革命 “ステーキレボリューリョン・イン・アメリカ”
トム・マイラン氏(ニューヨーク州の農場)
牛に大量の抗生物質を与え、人間のように穀物を与えて育てる工場型の畜産に未来はない、
そして肉を諦めず地球を守る方法は他にはないといった、
”環境に優しい肉を食べ続けるには“という点に重きを置き、100%牧草飼料で牛を育てる。

あるブルックリンの精肉店オーナーは、グラスフェッドとグレインフェッドについて、
「お肉を食べることを諦めないで、環境を考えるなら、グラスフェッドしかありえない」と述べています。
大きく霜降りの入った和牛が最高級の肉であると認識している日本。
肉革命が各地で起きている今、日本はどのように牛を育てていくべきなのか、考える必要があるかもしれません。

■パリNo.1精肉士イヴ=マリ・ル=ブルドネック 来日決定!
本作にも登場するパリNo.1精肉士イヴ=マリ・ル=ブルドネック氏はグラスフェッドを推奨しています。

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執筆者

Yasuhiro Togawa