先週、最終回の視聴率21.8%の有終の美で終了したNHK連続テレビ小説「まれ」のヒロインの母親役を好演した常盤貴子が、主演映画『向日葵の丘1983年・夏』で、アメリカで開催された映画祭「ロサンゼルス日本映画祭2015」のアウトスタンディング・アーティスティック・パフォーマンス(Outstanding Artistic Performance)賞を受賞した。

今年で11回目となるこの映画祭は、毎年行われているもので、日本に関連した話題作を審査して選ぶというもの。トロフィーは、招待作品に選ばれた本作の上映に合わせて渡米した太田隆文監督が代わりに受け取り、日本に持ち帰った。

本作は、8月22日からの品川プリンスシネマでの公開後、9月19日より全国での上映を開始している。大阪のシネ・リーブル梅田では、初日の上映が予約の時点で満席となり、急遽もう1回上映回数を増やすことになるなど、感動作だという口コミが全国に拡がりつつある。

本作で、常盤貴子、1997年のNHK連続テレビ小説「あぐり」でヒロインを務めた田中美里、TBSの橋田壽賀子ドラマ「渡る世間は鬼ばかり」の五女・長子役で有名な藤田朋子の高校時代役を演じた3人がそれぞれ、芳根京子(18)が7月クールのTBS金曜10時の連ドラ「表参道高校合唱部!」で連ドラ初主演を果たし、南波あつこ原作のコミックの映画化『先輩と彼女』(10月17日東映系で公開)のヒロインにも抜擢され、藤井武美(20)が大ヒットした韓国映画『猟奇的な彼女』や『僕の彼女を紹介します』のクァク・ジェヨン監督の新作『風の色(仮題)』のヒロインに1万人オーディションから選ばれ、百川晴香(19)が、7月クールの「ウルトラマンX」のレギュラーが決まるなど、本作撮影後に活躍の場を更に拡げ、注目を浴びている。

本作の舞台となっているバブル直前の1983年は、東京ディズニーランドが開園し、ファミコンやカロリーメイトなどが発売され、”義理チョコ”という言葉が流行語になるなど、日本人の日常生活が大きく変わった年。太田監督は、この1983年に注目し、「2013年」と、常盤演じる多香子が高校生だった「1983年」という時代を見つめることで、友達や親子の絆の大切さを描く。

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執筆者

Yasuhiro Togawa