9/19(土)に公開を迎えた映画『ヒロイン失格』。公開5日間で7.6億円を売上げ、強豪作品がひしめくシルバーウィークの興行収入ランキングで第1位を記録し、満席で劇場に入れない人が続出するなど記録的な大ヒットスタートをきった本作。各レビューサイトでも高得点をたたき出し、リピーターも続出。女子中高生を中心に、「めちゃくちゃ笑えた」「こんなに笑い声が聞こえた映画は初めて」「めっちゃ泣いた」など、胸キュンだけじゃない、笑って、泣けて、キュンとするロマンティック・コメディーとして小学生から大人の男性にまでその評判が広がっている本作ですが、中でもSNSを中心に話題となっているのは主演の桐谷美玲の文字通り体をはった演技。普段はキャスターとして知的な一面をのぞかせる彼女が、ほとんど捨て身の変顔だけではなく坊主頭まで披露している姿が大きな反響を呼んでいる。

 もともと本作は桐谷本人が主演のはとり役を熱望していた作品。規格外の演技が全編にわたるので、女優に相当な覚悟がないと、映画の魅力が半減してしまう非常に難しい役どころだったが、心の底からこの役を演じたいという桐谷の情熱が多くの人に支持される演技を生み出した。この作品にかける桐谷の情熱は初日舞台挨拶で思わず感極まって泣いてしまうなど話題になっていたが、公開後も劇場に自ら足を運び、完全にお忍びでお客さんの隣に座り反応を確かめつつ、突然声までかけて感想を聞いてしまうほど。

 そんな渾身の演技の中でも、ひときわ目をひくのが、失恋したはとりが「もう恋はしない」と誓い、坊主頭になって登場するシーン。可憐なイメージの彼女が坊主頭になって登場するという衝撃的なビジュアルに劇場中から驚きの声と、笑い声が上がっている。実際に共演した坂口健太郎が初めて坊主頭を見て「ヤバイ!スゴイ!」と思わず劇中で弘光が見せるリアクションと同じ反応をしてしまうほど現場でもインパクトがあったよう。この特殊メイクにかかった時間はなんと3時間。しかし、仕上がりに一番喜んでいたのは桐谷本人。自ら写真を撮りまくっていたようだ。

 桐谷ははとりという役を演じるにあたって、「はとりはものすごくぶっとんでる子だけど、何に対しても一生懸命。自分も何に対しても全力で頑張りたいと思うところははとりと似ているかな」と語る。そんな桐谷の全力の頑張りが映画の大ヒットを牽引している。

関連作品

http://data.cinematopics.com/?p=53490

執筆者

Yasuhiro Togawa