今年の6 月に、記録映像の完成を記念して放送されたインターネットテレビDOMMUNE の浪曲番組で、浪曲を知らない若い世代からも大きな反響と評価を得た浪曲師港家小柳。その芸歴69 年にして初めて開いた独演会で見せた凄まじい集中力、奇跡の一席を捉えた記録映像が2015 年10 月19 日(月)-2015 年10 月30 日(金)、渋谷アップリンクにて公開が決定いたしました。

本作は2014 年5 月に浅草木馬亭で開かれた、港家小柳の独演会を、楽屋裏から舞台の熱演まで追ったドキュメンタリーです。港家小柳は旅芸人として女流団を率い、40 年もの年月を過ごしてきたため、その実力に反して音や映像の記録がほとんど残っていません。その人とは異なる苦労された経験が演技の迫力とその圧倒的な厚みのようなものに繋がっていると感じられる、とても魅力的な芸人さんです。演目は力士太刀山と芸者清香の友情物語。編集をしながら何度も監督を唸らせた、名人というものの領域、その凄まじい集中力。台本はあっても楽譜のない浪曲は、三味線を弾く曲師との30分間にも及ぶ、真剣勝負の即興芸術です。日本を代表する名人曲師沢村豊子との掛け合いは、さながら序破急のジェットコースター。大成功、大当たりの一番となりました。

『港家小柳IN-TUNE』——————————————􀀃
港家小柳の圧倒的な存在感と纏う空気は伊達じゃない。今年で浪曲師として70年、その内の40年近くを旅芸人として生きた人から生まれる声は、一瞬で観る者を物語の世界へと誘ってしまう。今、こうして彼女の芸に触れられることの幸運に、一体どれだけの人が、気がついているのだろうか。

イベント情報はこちらから
http://www.uplink.co.jp/movie/2015/40009

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執筆者

Yasuhiro TogawaYasuhiro Togawa