この秋、数々の人気小説を発表している人気作家・湯本香樹実の原作小説を映画化した2作が9月、10月と2作連続で公開されます。

まず9月19日(土)に全国公開されるのが1997年に発表されて以来、アジアのみならず、アメリカ、ヨーロッパなど世界10ヶ国で翻訳・出版され、言葉や文化の壁を越えて愛されているロングセラー小説『ポプラの秋』(配給:アスミック・エース/シナジー)。大好きだった父親を亡くした少女と“天国に郵便を届けることが出来る”というおばあさんの心温まる交流を描き、次第に心癒されていく姿を描いた感動の物語を本田望結、中村玉緒を迎えて映画化。おばあさんのもとに集まる手紙には生前、大切な人へ伝えきれなかった言葉、残されたものが抱える苦しさや痛み、そして愛といった溢れる想いが手紙につづられている。小京都をと呼ばれる美しい飛騨高山の街を舞台に傷ついた人々が心癒されていく物語を静かに描きながら、観る者に温もりの余韻を残す感動作に仕上がってる。

10月に全国公開される『岸辺の旅』は名匠・黒澤清監督が第68回カンヌ国際映画祭「ある視点」部門 日本人初の“監督賞”受賞し、深津絵里と浅野忠信をW主演に迎えた話題作。3年間、失踪した夫が「俺、死んだよ」という言葉と共に突然帰ってきた。二人は夫が過ごした最期の時間を巡るため、お世話になった人々を巡る旅に出る。旅の途中に出会う人々には小松政夫、蒼井優、柄本明といった名優たちが勢ぞろい。夫の死をきっかけに、改めてお互いへの深い愛を再確認しあう夫婦の旅は、切なくもあたたかい“究極のラブストーリー”の誕生と言えるだろう。大友良英と江藤直子が手がける美しい音楽、主人公ふたりが訪れる美しい風景にも注目だ。

心の痛みを抱えた人々の姿を静かながら、温かく描いた湯本香樹実原作の映画2作。この季節にふさわしい情景とイ共に大人が楽しめるミニシアター作品に注目をしてほしい。
映画『ポプラの秋』は9月19日(土)よりシネスイッチ銀座ほか全国ロードショー。

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執筆者

Yasuhiro TogawaYasuhiro Togawa