この度、ヴェネツィア国際映画祭の審査員特別賞を始めとする全世界30を超える映画祭で絶賛された、『シ—ヴァス 王子さまになりたかった少年と負け犬だった闘犬の物語』(10月24日(土)より、ユーロスペースほか全国順次公開)が、2016年2月28日に開催される、第88回アカデミー賞外国語映画賞のトルコ代表に選出されたことが決定いたしました。
※アカデミー外国語映画賞は、アメリカ以外の映画で、外国語(英語以外の言語)の映画の為の賞。
アカデミー賞の他の賞とは違い、アメリカ国内で上映されている必要はない。毎年各国から1作品だけ出品できる。
出品条件は、制作された国で前年の10月からその年の9月の間に初公開され、少なくとも7日連続で劇場にて商業上映された作品であること。
世界各国から出品された作品は、アカデミー賞を審査する「映画芸術科学アカデミー」によって厳選される。
第79回(2006年度)からは、ノミネート発表一週間前に最終候補9作品が発表され、そのうちの5作品が本選にノミネートされるという形式が取られている。

非合法の闘犬に身を投じる男たちの世界の中で、神々しくも勇敢な闘犬シーヴァスの総雑な戦い・生きざまを通して、少年の僅かな成長の軌跡を繊細な感性と美しい映像の中に切り取ってみせた、トルコの新鋭、カアン・ミュジデジ監督の衝撃のデビュー作。

トルコ東部。アナトリア地方。11 歳の少年アスランは、ひょんなことで、傷つき瀕死の状態だった闘犬シーヴァスと出会う。同じ頃、彼の学校では「白雪姫」の学芸会の準備が進んでおり、彼が演じたかった王子さまの役には村長の息子オスマンが選ばれ、更に彼が面白くなかったのは、密かに想いを寄せていた美少女のアイシェが白雪姫役に抜擢されたことだった。そしてあろうことかシーヴァスを傷つけ勝利したのは、オスマンが飼っている闘犬ボゾだったのだ。アスランは学校に通うことを止めて、シーヴァスとの時間に没頭する。そして遂に、シーヴァスとボゾの決戦の時はやってきた━。

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執筆者

Yasuhiro Togawa