この度、9月19日(土)より、シネスイッチ銀座を皮切りに映画『カプチーノはお熱いうちに』を公開いたします。映画公開に先立ち、9月15日(火)、漫画家・コラムニストの辛酸なめ子さんとオネェ系映画ライターのよしひろまさみちさんをお招きし、トークショーを開催いたました。本作の舞台は南イタリアの街レッチェ。情熱的な恋に落ち、ときにはすれ違いながらもともに過ごしてきたヒロインのエレナと夫のアントニオ、13年間の夫婦愛の機微を描いた大人の恋愛物語です。

30歳以上の年齢制限付き【大人限定】coco特別試写会で、本作から見えてくるイタリア流人生の楽しみ方、酸いも甘いも経験したゲストお二人の独自の「男性観・女性観」について語っていただきました。

辛酸なめこが本作について「闘病ものなのに悲壮感がないというのと見終わった後ポジティブになれるのが不思議。伏線が雑なのがイタリアっぽくていい味だった。」と語ると、よしひろまさみちも「伏線が雑っていうのが共感できる。ヨーロッパの映画って小難しくつくってあって伏線が片付かないまま終わってしまう、この映画は片付けようとするんですが、片付け方が雑で、でもイタリアだからいいかって(笑)』
イタリア人の友人も多いというよしひろは「イタリア人で陰険な人って見たことない。エンジョイしていると同時に暗いことを考えない。沖縄の方みたいに、なんくるないさ〜といってポジティブに生きていく姿が美しく描かれている」と付け加えた。

映画の登場人物のキャラクターに話が及ぶとヒロインエレナの夫アントニオについて、「日本にはいないタイプ、室伏広治さんと海老蔵さんとみのもんたさんのぎらつき感を合わせたような、日本の濃い人3人分くらいでアントニオになるくらいの非常に強力なキャラクターでしたね」と辛酸。
よしひろはエレナの親友でゲイのファビオに注目、「ファビオのイケメンぶりがあまりにも素敵すぎて、尋常じゃない! 今はやりの塩顔ですよね。堀が深い塩顔っているんだって。オズぺテク監督は芸をカミングアウトしているんですが、ゲイ友が必ず出てくるんです」

また、オズぺテク監督の演出に「時間軸が不思議な映画でしたね。イタリアのアルモドバルと言われるゆえん。突拍子もないことを入れ込んでくる。それが作風にもなっているんですね」と深い余韻を残すラストシーンについて語る。
辛酸は、「昔の自分を思い出して元気をもらうことってあるじゃないですか。あのシーンは、過去の自分が、現在の自分を励ましているってことだと思うんです」と自身の体験からエレナの心境を推察。

お気に入りのシーンについて「エレナとアントニオが海岸に行って、お互いのタトゥをさらしあって絡みあうというような、あのリア充感が本当に忘れられない」と語る辛酸はスイッチが入ったようで、トーク内容もオトナな内容にヒートアアップ。週刊誌で読んだという妻の献身的なセックスによって夫のガンが治ったという、本当か嘘かわからないエピソードを真顔で語る辛酸に会場にどよめきと爆笑が走る。「アントニオの野獣のような性欲がエレナに生きる希望を与えたんじゃないか」という辛酸説によしひろも「確かに、充実した性生活はホルモンバランスとか免疫力を高めるっていいますからねぇ」とのっかり、「とりあえずやっとけってことですね。みなさんセックスしましょう!」と会場に呼びかけた。「健康的なアンチエイジングですね」とツッコむ辛酸に「アンチエイジングしたいですね〜」とよしひろが嬉しそうに返し、イベントは時間切れ。映画とおなじように深い余韻が残る終わり方に、集まったお客さんも大満足の様子だ。

関連作品

http://data.cinematopics.com/?p=53755

執筆者

Yasuhiro Togawa