106歳で亡くなるまで現役最高齢の映画監督であった、
世紀の巨匠マノエル・ド・オリヴェイラ。
幻の最高傑作にして最後の劇場公開作、ついに12月公開

現役最高齢監督として知られ、世界中の映画作家から尊敬を集めた世紀の巨匠マノエル・ド・オリヴェイラ監督が、今年4月2日に106歳という長寿を全うし惜しまれつつも永眠いたしました。そのオリヴェイラが101歳の時に発表し、日本では長い間、映画ファンから公開が待たれていた幻の傑作『アンジェリカの微笑み』(原題:The Strange Case of Angelica)を12月に公開いたします。

夭逝した絶世の美女アンジェリカの美しすぎる微笑みの虜になってしまう写真家の青年。その美女の神秘に満ちた微笑みとは何なのか——?

夭逝した美女の最後の写真を撮った青年イザクに、信じ難いことが起きる。
不可思議な微笑みが引き寄せたふたつの魂——。
世にも美しい愛の幻想譚。
ポルトガルはドウロ河流域の小さな町。カメラが趣味の青年イザクは、ある夜、若くして亡くなった娘アンジェリカの写真撮影を依頼され、町でも有数の富豪の邸宅を訪れる。白い死に装束に身を包み、花束を手に抱えて横たわる娘にカメラを向けると、その美しい娘は、突然瞼を開きイザクに微笑みかける。
その瞬間、イザクは雷に打たれたように恋に落ちてしまうのだった。絶世の美女アンジェリカの神秘に満ちた美しすぎる微笑みに心奪われ、昼夜想いを馳せるイザクの顛末は——?

現役最高齢監督として国際的に知られ、2015 年 4 月 2 日に、惜しまれつつも 106 歳で永眠した世界の巨匠マノエル・ド・オリヴェイラ。そのオリヴェイラ監督が 101 歳の時に撮り上げ、第 63 回カンヌ国際映画祭<ある視点>部門のオープニングを飾った『アンジェリカの微笑み』が、紆余曲折を経て、ついに日本公開される。本作はオリヴェイラ監督が 1952 年に脚本を執筆したものの、映画化されないまま半世紀以上の歳月をかけて熟成され、その後監督自らの手で現代の物語として完成させた。まさに、極上ヴィンテージワインのような傑作。

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執筆者

Yasuhiro Togawa