世界に先駆けてDシネマ(デジタルシネマ)にフォーカスし、若手映像クリエイターの登竜門として2004年にスタートしたSKIPシティ国際Dシネマ映画祭は、今年7月18日(土)〜26日(日)に第12回目の開催を迎え、去る26日のクロージング・セレモニー(表彰式)にて、長編・短編・アニメーション部門のコンペティション3部門各賞の発表とともに全日程を終了いたしました。そしてこの度、会期中に行われた観客人気投票による投票結果が決定いたしました。

審査員による主催者賞の授与とは別に発表される本結果は、正賞ではないものの、来場されたお客様ひとりひとりによる人気投票の集計結果となっており、第1位を獲得した作品は、もっとも観客の皆さまの支持を集めた作品として、まさに「観客賞」ともいえる結果となっています。投票結果は下記の通りです。
長編部門では、グランプリを受賞したキューバ映画『ビヘイビア』が観客人気投票でも1位を獲得し、審査員、観客双方から高い評価を得た結果となりました。

長編部門(国際コンペティション) 観客人気投票結果

■第1位 『ビヘイビア』 <2014 年/キューバ/108 分>
★SKIP シティ国際 D シネマ映画祭 2015 長編部門 最優秀作品賞(グランプリ)受賞作品

◎エルネスト・ダラナス・セラーノ監督 コメント
SKIP シティ国際D シネマ映画祭の皆様、この度は本当にありがとうございます。観客投票 1位という結果をいただき、たいへん光栄に思っています。このニュースは、先日ハバナで逝去された、偉大なる女優アリーナ・ロドリゲスに捧げたいと思います。
彼女の死は、キューバ映画界にとって大きな損失です。アリーナはキューバの観客に非常に愛され、またこの映画では、出演している子供たちが彼女をたいへん慕っていました。彼らは皆、演技経験のない子供たちでしたが、アリーナは彼らにプロフェッショナルの俳優として接し、信頼を置いていました。観客投票によるこの結果は、映画にとって、あるいは俳優にとって、素晴らしいプレゼントです。本作のキャストとスタッフに代わりまして、御礼を申し上げます。
※本作で教師カルメラを演じたアリーナ・ロドリゲスさんは去る7月27日に63歳で逝去されました。

■第2位 『モンテビデオの奇跡』 監督:ドラガン・ビエログルリッチ <2014 年/セルビア/139 分>
■第3位 『あした生きるという旅』 監督:内田英恵 <2014 年/日本/83 分>

短編部門(国内コンペティション) 観客人気投票結果

■第1位 『ガラスの園で月を食らう』 <2015 年/日本/30 分>

◎相馬 寿樹 監督 コメント
私たちの作品を愛してくださる皆様と出会えたことに、心から感謝しています。監督として更に精進すると共に、これからも心臓が破けるくらいの感動を必ず届けます。映画でしか描くことのできない美しさを表現し、監督名で作品を選んで観て頂ける映画監督になることを誓います。この度は本当にありがとうございました。

■第2位 『あかべこ』 監督:高橋秀綱 <2015 年/日本/24 分>
■第3位 『虹の麓まで』 監督:高岡尚司 <2014 年/日本/30 分>

アニメーション部門(国内コンペティション) 観客人気投票結果

■第1位 『Waltz』 <2014 年/日本/19 分>

◎中島 史音監督 コメント
今回このような評価をいただき、大変嬉しく思っております。私は今まで「老若男女問わず楽しんでもらえるものを作る」という点を目標にして作品を制作してきましたので、その思いを形にすることができたのではと感じています。映像を観てくださった皆様にこの場を借りて御礼申し上げます。本当にありがとうございました。

■第2位 『息ができない』 監督:木畠彩矢香 <2015 年/日本/6 分> ★アニメーション部門 奨励賞 受賞作品
■第3位 『夢かもしれない話』 監督:朴美玲 <2014 年/日本/5 分> ★アニメーション部門 最優秀作品賞 受賞作品

SKIPシティ国際Dシネマ映画祭2015 (第12回)
■会期:2015年7月18日(土)〜26日(日) <9日間>
■会場:SKIPシティ 映像ホール/多目的ホール(埼玉県川口市)ほか
■主催:埼玉県、川口市、SKIP シティ国際映画祭実行委員会、特定非営利活動法人さいたま映像ボランティアの会
■公式サイト:http://www.skipcity-dcf.jp

執筆者

Yasuhiro Togawa