この度、第71回ヴェネチア国際映画祭にてアカデミー賞®受賞作『バードマン あるいは(無知がもたらす予期せぬ奇跡)』を抑え金獅子賞(グランプリ)を受賞した『さよなら、人類』が8月8日(土)より、YEBISU GARDEN CINEMAにて大ヒットスタート致しました!
公開初日から、満席の回も出る好調なスタートをきり、YEBISU GARDEN CINEMAオープン以来、初日・2日目の動員・興収記録1位となり、また最高の日計動員記録も更新しました!

本作では、面白グッズを売り歩くセールスマンコンビが、何をやっても上手くいかない人々の哀しくも可笑しな様々な人生を目撃する。
ロイ・アンダーソン監督独特のユーモアで笑いを交えつつも、これまで人類が繰り返してきた愚かな過ちを、時にブラックに描き、観客に「人生」についての問いを投げかける。

本作にコメントを寄せた板尾創路さん(芸人)は公開後のトークイベントで、「何度も観返したくなる、これから先もずっと付き合っていきたい映画。
モンティ・パイソンより静かだけれど、コメディとしてかなり面白い」と絶賛。同じく、本作にコメントを寄せた日本エレキテル連合は、「皮肉で滑稽で奇妙。難解なようで単純明快。最高に哀しいから最高に可笑しい。」
また、演劇作家の岡田利規さんは「微笑ましいだけでない、人類を突き放した俯瞰するようなユーモア。神のようなユーモア。最高!」、放送作家の倉本美津留さんも「始まりはいつものロイ・アンダーソン節で、ツッコミながら笑っていたが、見ているうちにだんだん笑えなくなって来た。
可笑しすぎるはずの映像世界に呑み込まれて、いつしか自分もそっち側の住人になっていたのだ。」などなど…と、各界の「笑い」に精通した著名人たちが、その独特な“ブラックコメディ”ぶりを絶賛!

そんな『さよなら、人類』のみならず、今年は人生の機微をシニカルに描いた“ブラックコメディ映画”が続々とヒットを飛ばしているのをご存じだろうか?
当たり年ともいえるほど、人々が求めてしまう一味違った“ブラックコメディ映画”の魅力に迫る!

不幸の連続…悲劇の中から沸きおこる、とてつもない喜劇!!
何が起きるか分からない、だから人生は面白い。

■人生スイッチ (公開中)
アカデミー賞外国語映画賞にノミネートされた『人生スイッチ』は、本国アルゼンチンで公開されると動員400万人を超え『アナと雪の女王』の倍以上の興行収入を記録。日本でも、ヒットを飛ばしている。監督は『トーク・トゥ・ハー』などアカデミー賞、カンヌ国際映画祭受賞歴のある名匠ペドロ・アルモドバル。

不運の連鎖によって思いも寄らぬ運命をたどる6人の男女の物語をオムニバス形式で構成。
元彼と関わりのある人だけが乗った飛行機に乗り合わせたファッションモデル、両親の仇である高利貸しの男への復讐を目論む女性…などなど、不運に見舞われていく、ごく平凡な人々の姿を、ブラックユーモアを交えて描き出す。悲劇が一周して痛快さを覚えてしまえるほど。

■フレンチアルプスで起きたこと (公開中)
カンヌ映画祭の「ある視点」部門でプレミア上映され、審査員賞を受賞。監督は、第24回東京国際映画祭最優秀監督賞受賞作『プレイ』などで注目を浴びたスウェーデンの新星リューベン・オストルンド。

フランスのスキーリゾートに休暇で訪れたスウェーデン人一家が経験する家族の危機を描く人間ドラマ。テラスで昼食を取っていると目の前の斜面で雪崩が発生。
大事には至らず家族は無事だったが、夫が取った行動により理想のパパ像は崩れ去り、妻と子供たちから反感を買い、家族はバラバラになってしまう…
人間の本能が起こしてしまった行動の残酷な代償を、ブラックユーモアを交えて描く。家族の絆を取り戻そうとあがく主人公の姿が痛烈。
窮地に陥ったからこそ見えてくる人間の本性は、どこか喜劇的。

■さよなら、人類 (公開中)
ヴェネチア国際映画祭で金獅子賞(グランプリ)を受賞した本作。過去作『散歩する惑星』『愛おしき隣人』に続いて発表された
3部作の最終章である『さよなら、人類』。これらについて監督のロイ・アンダーソンは「自分たちの存在について、悲喜劇を用いて“生きる喜び”と、人間の存在に対する根源的な敬意への省察と熟考を促そうとしている。過去2作に比べ、『さよなら、人類』は、圧倒的に“生きる喜び”に満ちている。
登場人物たちが、哀しみに暮れ、おおいに苦しんでいてもだ。」と語る。
ブラックなユーモアに包まれつつも、人は愛おしく人生は素晴らしいものであると感じさせる、ロイ・アンダーソンの世界観が一貫している作品。

現在ヒットを飛ばしている、これら“ブラックコメディ映画”。人生では、図らずして不幸な出来事が起きてしまうが、しかし、それをきっかけに本来の自分の姿が見えてくる。
悲劇的な状況だからこそ、不意に笑える瞬間が光って見える…“ブラックコメディ映画”が教えてくれる「人生って、案外いいものだ」という感覚が、国境を問わず人々を魅了しているのかもしれない。

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執筆者

Yasuhiro Togawa