本作は、厳しい生活環境下で生き抜いてきた少年が、突然の事故をきっかけに米国一のエリート少年合唱団を有する私立高に入学し、ベテラン合唱団団長と出会い才能を開花させ、人生を切り開いていく感動のドラマ。

13歳頃までの少年の歌声は、心を解き放ち大空に舞い上がるような高音域の妙がある。だが、その歌声は一瞬にして消え去る。子供時代の束の間の美しさと、時間の奥深い力を思い知らされるかのように。これは、不屈の魂から生まれた、奇跡の物語。

数々の賞賛を受けてきたベテラン教師で今なお衰え知らずの頑固な合唱団団長カーヴェルに、2度の米アカデミー賞に輝くダスティン・ホフマン。そして天才少年シンガー、ステットを演じるのは、新人若手俳優ギャレット・ウェアリング。そしてメガホンをとったのは『レッド・バイオリン』(98)で米アカデミー賞最優秀作曲賞を受賞したフランソワ・ジラール。

・各界の著名人からコメント殺到!

本作のマスコミ試写会は連日満席が続いており、予約だけでも数十席も
埋まるほどの人気っぷり。期待値の高さだけでなく、鑑賞後の満足度の高さも注目すべきである。本作に関して応援コメントが異例の20名分近く集まり、音楽に精通した著名人をはじめ、役者、ジャーナリスト、タレント、キャスターと幅広い支持を得ている。

鳥越俊太郎

「久し振りに心を揺さぶられ、心を洗われ深い感動を覚えた、そんな映画だ。変声期の前に束の間だけ訪れるボーイソプラノの天使の声。問題児だった主人公が歌うメサイアのソロが哀切に胸に響く。」

BONNIE PINK

「少年のフラジャイルな心が、歌という力を得てみるみると強くなっていく。私も小学校の合唱団出身なので、鞭打たれた思い出と重なってジーンと来ました。ボーイ・ソプラノに心洗われた後なら、ファルセットのhigh Dも出るかも!是非お試しあれ。」

中谷美紀

孤独な少年の心が少しずつほどけていく姿と、情感あふれる歌声。
ただそれだけをシンプルに描いたこの作品に、思わず涙させられました。

鎌谷悠希 (「少年ノート Days of Evanescence」「隠の王」 漫画家)

「今の声を失った未来の自分と自信を、今の声が育んでいるーーー。
儚く美しい、圧倒的な魅力がボーイソプラノにはあります。それがゆえに心を揺らがせる少年達の想い、見つめる大人達の想いそれぞれが内包されたメサイアのあの合唱を、聴衆のひとりになって何度でも聴いていたい!」

・プロデューサーの目から見る『ボーイ・ソプラノ』−ジュディ・カイロ インタビュー

本作は、TVミニシリーズ「ELVIS エルヴィス」(05)『クレイジー・ハート』(09)など音楽作品を多く手掛ける敏腕、ジュディ・カイロがプロデューサーとして名を連ねている。彼女のインタビューから本作が何故多くの鑑賞者から称賛を得るのか、ヒントを得られた。

Q.映画のテーマについて

ある才能に恵まれた少年を描いているわ。多くの子供たちがそうだけど、特別なことをするチャンスに恵まれない子供たちがいる。誰も彼らにチャンスを与えないから。これは、自分の才能に気づいた特別な人間についての物語なの。それを掘り下げ、チャンスに導き、世界中の人々と共有する手助けをするの。

Q.フランソワ・ジラール監督がかかわったきっかけについて

この作品のための監督を探していたの。たまたまほかの作品でロンドンにいた時に数人のエージェントと会って、フランソワ・ジラールを知っているかと聞かれたの。もちろん『レッド・バイオリン』(98)を知っていたし、大好きだったけれど、誰が監督したかは知らなかった。そこでフランソワのことを調べたわ。最近は、シルク・ドゥ・ソレイユのショーや、オペラのような舞台作品を演出していたことを知ったの。しばらく映画は撮ってないけれど、監督業に戻る準備はできていた。彼に脚本を送ったら、連絡が来て、彼の家を訪れたわ。ステキな午後のお茶をいただきながら脚本について話したの。彼は読んで、最後には涙を浮かべたらしいの。

Q.ステット(ギャレット・ウェアリング)を見つけたことについて

ギャレット・ウェアリングは発見だったわ。素晴らしい子なの。彼には大人のように話ができる。フランソワは彼を子役として扱わないの。セットにいるほかの俳優と同じように扱うわ。大人の俳優に使うのと同じ言葉で彼と話し合う。それに彼は美しい声と、素晴らしい人柄の持ち主で、監督のいうことをよく聞く。きっとスターになると思うわ。

Q.なぜ観客の共感を得る映画なのでしょう?

素晴らしいメッセージがあるからだと思う。どの子供にも輝くチャンスがある。自分の声を見つけ、人生の目標が何であってもそれに到達し、大きな夢をみるチャンスがある。それがこの映画で語っていることなの。

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執筆者

Yasuhiro Togawa