ユジク阿佐ヶ谷におきまして、36年前に公開され、現在も多くのファンをもつ『くるみ割り人形』を上映することとなりました。今回は、36年前の『くるみ割り人形』に、当時制作に参加したアニメーターである眞賀里文子が再編集を施したものです。

 『くるみ割り人形』といいますと、昨年新しいバージョンのものが公開されました。3D映像、音楽性を大きく変え、完全に新しい『くるみ割り人形』の世界観を作り上げました。眞賀里文子の再編集版は、79年の公開当時の原型に近い形であり、実写シーンをカットするなど、純粋にアニメーションとして楽しみたいという方に大変喜んで頂けると思います。1日に3秒しか撮れなかったという事実、製作期間5年間という数字からも当時のクリエーターの情熱が伝わります。今回の上映では、制作人の1人であり、再編集を行った眞賀里文子のトークも毎回あります。当時の苦労や秘話などを聞ける貴重な機会ですので、興味のある方には是非お越し頂きたいです。

【上映スケジュール】
9/7(月)、9/14(月) 20:40〜(上映終了後の21:55頃からトークショー)
9/21(月)、9/28(月) 20:20〜(上映終了後の21:35頃からトークショー)
【会場】 ユジク阿佐ヶ谷
 〒166‐0001 杉並区阿佐ヶ谷北2−12−19−B1
 TEL:03‐5327‐3725

『くるみ割り人形』(1979/日本/サンリオ・日本ヘラルド映画/※95分)
 ※今回上映する再編集版は73分です。
製作・脚本:辻信太郎 
監督:中村武雄 
原作:E・T・A・ホフマン アニメーション:眞賀里文子/持永只仁

<眞賀里文子からのメッセージ>
日本初の長編人形アニメーション映画“くるみ割り人形”が35年振りに戻ってきた。
何も古びていない!
そして、流麗なカメラワークに身を任せ、チャイコフスキーのメロディーに耳を傾け、少女クララの“清らかさ”に心をゆだねて下さい。
少しだけ変わった自分がいるはずです。

〈イントロダクション〉
 19世紀、ドイツ。主タールバウム家の少女クララは、ドロッセルマイヤーおじさんの鞄から転げ落ちたくるみ割り人形に心をうばわれ思わず抱きしめる。明日帰ってくるという従兄弟のフリッツ兄さんのことを思いながら、浅い眠りについたクララが見た夢は……。
 美しい 楽しい ちょっと怖い!古典音楽と現代音楽をクロスオーバーさせたメロディーにのせて人形アニメーションならではの映像を楽しんでください。

〈眞賀里文子プロフィール〉
 人形アニメーター、演出家。テレビや映画を中心に人形アニメーションを担当。こども向け作品からCM、特撮アニメーションと守備範囲は広く、CMを含めるとこれまで1000本以上のアニメーションをこなしている。代表作はテレビシリーズ「コメットさん」(67年)、長編人形アニメーション映画『くるみ割り人形』(79年)、自主作品「くまの子ウーフ」(83年)、世界初のIMAX用人形アニメーション「天までとどけ」(93年)など。「コンタック」「ドコモダケ」「液キャベ」など多数のCMを手がけ、NHK教育では「ちぃちゃんとヒゲおじさん」シリーズが「プチプチ・アニメ」で放映される。現在、アート・アニメーションのちいさな学校で立体アニメーションを教えている。

2015年9月 毎週月曜日(計4回)限定の眞賀里版『くるみ割り人形』上映決定!

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執筆者

Yasuhiro TogawaYasuhiro TogawaYasuhiro Togawa