06年『時をかける少女』、09年『サマーウォーズ』、12年『おおかみこどもの雨と雪』と、手掛けた作品すべてが傑作として評価され、国内外の映画賞を席巻し、今や世界で最も注目を集めるアニメーション映画監督となった細田守。その3年ぶりとなる最新作『バケモノの子』は、バケモノと少年の奇妙な師弟関係を軸に、バケモノたちの棲む異世界「渋天街(じゅうてんがい)」での修行と冒険、リアルな渋谷を舞台にした壮大なアクション、そして親子の絆やヒロインとの淡い恋愛など、あらゆる世代が共感できる、《新冒険活劇》です。
そんな夏の思い出づくりにぴったりの本作は7月11日(土)の公開より、まさに群雄割拠の様相を呈する、この夏興行において快進撃を続けてきました。そしてこの度、公開30日目(8/9時点)にして、早くもその観客動員数が300万人を超え、興行収入も38億円を突破!
さらに、第63回サン・セバスチャン国際映画祭(9月18日〜26日)【コンペティション部門】への出品も決定。大ヒットの追い風とも言える朗報が届きました。

サン・セバスチャン国際映画祭はスペイン最大にして歴史ある映画祭。1952年に創設された後、1957年以降は国際映画製作者連盟(注1)公認となり、ベルリン国際映画祭やカンヌ国際映画祭、ベネチア国際映画祭などと肩を並べる存在。日本映画では、2013年度に是枝裕和監督の『そして父になる』が観客賞を受賞しています。同映画祭の【コンペティション部門】においてアニメーション映画が選出されることは史上初であり、日本のアニメーション映画を代表する細田守監督の最新作に、より一層の期待が高まっています。

なお、『バケモノの子』の海外配給を手がけるのはフランスのGAUMONT(ゴーモン)社。フランスでは2016年1月13日より、前作『おおかみこどもの雨と雪』の公開規模の4倍となる200スクリーン以上での公開が決定しているほか、アメリカ、イギリス、ドイツ、イタリア、スペイン、オーストラリア、北欧、中東、南米、韓国、台湾、タイなど37の国と地域でも配給が決定しています。それぞれの国においても前作を凌ぐ規模での公開となり、全体のスクリーン数は2倍以上になる見込みです。

(注1)国際映画製作者連盟:世界の映画産業、国際映画祭の諸問題を改善、検討する国際機関。パリに本部を置き、世界29の国と地域(2014年時点)が加盟している。

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執筆者

Yasuhiro Togawa