、文明崩壊後の荒野で猛者たちが BMX で大暴走する危険な世界で、若者が巨悪と対決する話題の新作映画『ターボキッド』の緊急・限定・興奮のレイトショーが決定、また BD・DVD の発売も決定いたしました。

本作は、海外各映画祭で話題沸騰中、アメリカで 8/28 の公開が決定している出来たてホヤホヤの新作。監督や出演者いわく、『レポマン』『BMX アドベンチャー』『ブレインデッド』『ネバーエンディングストーリー』『マッドマックス2』『グーニーズ』の要素をごちゃ混ぜにした、という強烈な 80 年代感を纏ったSF アクション・ラブロマンス・ホラー。マッドマックス同様のアポカリプスな世界観にもかかわらずインターセプターや KAWASAKI のバイクではない 20 インチBMX を完全武装の野蛮人たちが必死に漕いで荒野を疾駆するという悲惨かつ異様な光景、そして無意味なほどのおびただしい血の噴射量で低予算ながら映画ファンの心を鷲掴みにしている。スコープサイズのフレーミングの中、広大な荒野をエンジン音の無いチャリンコで繰り広げられる追跡劇はその絵面自体が物語に関係なく哀愁に満ちている。

また『スキャナーズ』(1981 年/デヴィッド・クローネンバーグ監督)の主人公や『トータル・リコール』(1990 年/ポール・バーホーベン監督)の敵役、同じくバーホーベンの『スターシップ・トゥルーパーズ』(1997 年)などで圧倒的な存在感を放ち B 級から大作までをつとめる裏街道の首領ともいえるマイケル・アイアンサイドがまさかの出演で極悪ゼウスを演じており、この点においても本作が適当に制作された低予算の凡作ではないということがみてとれる。監督は ROADKILL SUPERSTARS という名で数々の短編映像作品を生み出している集団の中心であるフランソワ・シマード、アヌーク・ウィッセル、ヨアン・カール・ウィッセルの 3 人。2012 年のホラーオムニバス『ABC・オブ・デス』に応募しながらも落選した短編『T is for Turbo』を『ホーボー・ウィズ・ショットガン』(2011)のジェイソン・アイズナー監督からの長編化の助言を受けて、『ABC・オブ・デス』のプロデューサー、アント・ティンプソンもプロジェクトに加わり、初の長編映画として完成させた。

海外では 2015 年サンダンス映画祭でのワールドプレミアに続き 2015 年 SXSW 映画祭にて最優秀観客賞受賞、ファンタスポア映画祭最優秀作品・審査員美術賞受賞、またつい先頃行われたブチョン国際ファンタスティック映画祭では最優秀監督賞を受賞し、その他の映画祭を猛烈な脚力で駆け抜ける BMX のごとく、まさに大暴走な活躍を見せている。

そんな、必ず観なければならない超面白低予算映画の本作ですが、遂に劇場上映がシネマート新宿とシネマート心斎橋にて10/3(土)~1週間限定レイトショーとして決定いたしました。また 2016 年 1/13(水)には BD・DVD 発売、レンタルも開始となります。

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執筆者

Yasuhiro Togawa