映画『日本のいちばん長い日』(8月8日公開/アスミック・エース、松竹配給)は昭和史研究の第一人者・半藤一利の傑作ノンフィクションを『クライマーズ・ハイ』、『わが母の記』の原田眞人監督が完全映画化。太平洋戦争終戦の舞台裏では何が行われていたのか?日本の未来を信じ、今日の平和の礎を築くため、身を挺し闘った人々の物語に挑みます。ベテランから、躍進目覚ましい若手俳優まで、今の日本映画界を代表するキャストの豪華競演が実現しました。すべての日本人に伝えたい、戦後70 年の壮大な記念碑となる感動作が、ここに誕生します。

本作に関しまして、主演である役所広司が熱演するシーンを収めた本編特別映像が到着いたしました。
http://youtu.be/oS4wiHLs-DA

この度公開された本編特別映像は、終戦に向けて、昭和天皇による聖断が下ったことを陸軍本部にて、阿南惟幾(役所広司)が陸軍大臣として将校たちにポツダム宣言受諾の決定を伝えるシーン。
徹底抗戦、本土決戦を謳っていた将校たちは、阿南陸相も同じく軍人として最後まで戦い抜く姿勢であると信じて疑わなかったことから、日本の敗戦決定づける、昭和天皇の聖断を受け入れたことに畑中健二少佐(松坂桃李)ら若手将校たちは「辞職して全部をひっくり返してください!」と食って掛かるが、「納得できぬならまず私を斬れ!阿南を斬ってからやれ!」と声を荒げる決死の阿南の様子に憤りと悲痛の表情をみせる。
戦争継続を主張する陸軍将校たちの情熱を背負いながらも、かつて侍従武官を務めた天皇陛下の身を案じ、平和的解決を成し遂げようと決断した阿南陸相苦悩の表情が日本史上最大の決断の重さを思わせる映像となっている。

戦後70年の壮大な記念碑となる感動作であり、日本映画界を代表する豪華キャストが揃う中、阿南惟幾陸軍大臣を熱演した主演の役所広司。
阿南惟幾陸相を主人公として宮城事件を扱った日本映画は、早川雪舟が演じた1954年製作の『日本敗れず』、そして1967年に三船敏郎が演じた岡本喜八監督版『日本のいちばん長い日』があるが、同じく半藤一利原作により1968年に映画化された『連合艦隊司令長官 山本五十六』で三船敏郎が演じた山本五十六に続き、2011年公開『聯合艦隊司令長官 山本五十六』で役所は山本五十六を演じており、二度映画の中で三船敏郎が演じた役を務めることに、役所は本作で演じる阿南惟幾陸相について、「プレッシャーを感じておりますが、原田監督が前回とは違う新しい阿南惟幾を演出してくれると信じて演じることが出来ました」と語っている。

役所広司演じる阿南は、役所がもつスケール感、雰囲気により、より家庭的な人物像として戦死した息子への想い、家族を支える妻の強さなど、阿南家族の感動的なエピソードも描き、今まで描かれていた阿南惟幾像とは大きな違いをあらわす。
また、本作の完成報告会見で原田眞人監督は役所演じる「阿南の(家庭的な)部分が今作のキーになる」と語り、「陸軍のトップでありながら阿南陸相が熱弁する“軍をなくして国を残す”という言葉の意味を本作のキーワードとして意識してほしい」とも熱く訴えかけた。

役所は「“日本のいちばん長い日”、この日を境に日本人は全然違う国民になったような気がしていて、この日の以前の人たちは私のイメージとしてはまだ刀を差している、侍に近い感じがします、その精神にどうにか近づけたらなと思いながらやっていました」と役作りついて語っている。

自らを犠牲に日本の未来を想い最期を遂げた役所広司演じる阿南の姿を是非劇場で観て欲しい。

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執筆者

Yasuhiro Togawa