クーキーの材質は、デザイナーの布団カバー!?

本作はチェコ伝統のマリオネットによるパペット映画でありながら、スタジオを飛び出して、実際の森の中にロケセットを組み予定の3倍となる100日間もの撮影を敢行した。スヴェラーク監督は「とにかく本物らしい作品にしたかったので、撮影も極力本物の自然の中で行うようにしました。」と本作への強いこだわりを語っている。
今回の特別動画では、ゴミ捨て場に捨てられ、ショベルカーに潰されそうなったクーキーが、主人公の男の子オンドラの祈りによって、動き出してゴミ捨て場を駆け下り森に逃げ込んだシーンが解禁となった。また本作は、コマ撮りではなく、パペットと実写で撮影された作品となっている。そのため、様々な動きが必要の為、主人公の“クーキー”は撮影用に違うバージョンのものを5体用意して撮影に挑んだが、狙い通りの動きが撮影出来なかった為、最終的には20体にもなった。しかし、クーキーは、デザインを担当したアマニタ・デザインのヤクブ氏が実際に使用していたベッドカバーを使用している為、20体以上のクーキーの制作は不可能な様だった。苦労の甲斐もあり、今回解禁された動画でも、“クーキー”の滑らかな動きを堪能出来る。

30日間の撮影予定が、100日以上に!!

 撮影当初は、30日間の予定だったが、前代未聞の撮影手法だったので、最終的には100日以上になり、撮影期間は2年に渡った。撮影スタッフに関して、当初6名のクルーの予定だったが、最後には60人もの大所帯のチームになっていた。
ヤン監督は、「最初に考えていたよりも、はるかに大変な撮影だということがだんだんわかってきた。だけど、とにかく本物に拘った作品にしたかった。」と撮影が伸びた理由を説明している。しかし、ヤン監督は「苔の上に寝転んでパペットを使い、森の中で遊んでいた様なものだった」と当時の様子を語っていた。『クーキー』は8月22日(土)より新宿武蔵野館にて全国順次公開。

“ゆるい逃亡劇”動画
http://youtu.be/T4S7Afj5uAw

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http://data.cinematopics.com/?p=53751

執筆者

Yasuhiro Togawa