2013年4月27日(土)に公開され、興行収入17.2億円を記録した『図書館戦争』。公開後、ファンからの続編を熱望する声は途絶えることはありませんでした。その熱い想いに応えるべく主要スタッフ・キャストが再結集し、スクリーンに帰ってきます!
 先日、10月10日に全国公開となる映画『図書館戦争 THE LAST MISSION』に先駆け、この秋にTBS系列にてドラマスペシャル、「図書館戦争 BOOK OF MEMORIES」のOA決定、
松坂桃李・中村蒼・土屋太鳳ら豪華新キャスト陣の参戦が発表され、ますます目が離せなくなってきた『図書館戦争』プロジェクトですが、
この度、10月10日に公開される『図書館戦争 THE LAST MISSION』が邦画史上初の
ドルビーサラウンド7.1を採用することが明らかとなりました。
今まで、日本国内でドルビーサラウンド7.1で上映された作品は『パシフィック・リム』『スター・トレック イントゥ・ダークネス』『アイアンマン3』『ホビット 思いがけない冒険』など、ハリウッド超大作のみ。岡田、榮倉らが臨む “LAST MISSION”をリアルな臨場感で体験することが出来ます!耳元をかすめる銃弾!戦場を駆け抜ける足音!映画「図書館戦争」でしか味わうことができない音響体感をぜひ映画館でお楽しみください。

ドルビーサラウンド7.1とは
ドルビーサラウンド7.1は、より高度な音場の奥行き感とリアリティを映画体験にもたらすために開発された映画音声フォーマットです。5.1chにディスクリートチャンネルを2ch追加し、サラウンドをサイドのLRとリアのLR、合計4chにすることで、映画の興奮度をさらに高め、観客を映画の世界に引き込みます。ドルビーサラウンド7.1では、サウンドトラックの空間感と音声の解像度が向上します。その結果、作品の視覚的インパクトに適した、様々な表現に対応した音響効果を実現できます。音の左右の移動や定位を向上させるだけでなく、個々のサウンドがよりクリアで明瞭になります。また、リスニング空間の「スイートスポット」を拡大します。つまり、ドルビーサラウンド7.1のフルパワーが発揮されるのは、劇場内の中央に位置する一握りの座席だけではない、ということです。

■システム採用の理由
本作の目玉の一つは、過去の邦画には存在しなかった“現代における戦闘シーン”である。登場する銃器は9mm機関けん銃、SIG、89式小銃、M24対人狙撃銃など多数。図書館内においてのそれら銃器を使っての銃撃戦は、紙が舞い散り、スチール製の本棚が吹っ飛び、コンクリ壁に穴が開くほど激しいもの。
まるで戦場の真っ只中に投げ込まれたかのような効果音付けを追求した結果、ドルビーサラウンド7.1を採用することに。
この提案に、邦画最初の採用作品を検討していたドルビージャパン社も快諾。
近未来の戦争映画に、より一層の迫力を与えた。
■採用の提案をした本作サウンドデザイナーの谷口広紀さんは

PS4専用ゲームのサウンドデザインですでにドルビーサラウンド7.1での作業を経験していました。この映画は、ある意味“戦争映画”とも言える映画なので、戦場の中にいる臨場感を追求するためには現在スタンダードである5.1chでは限界があると感じていました。ゲーム製作での経験があったからこそ、映画でもこれをやるべきだと思ったのです。
実際に音付け作業をしていく中で、ストレスが減ったと感じています。作りたかった通りの音が配置でき、空間作りとして、理想に近づきました。自分の脳内と、映画を観て感じる音響とのズレが減った感じです。ゲームとこの映画の製作で、約10か月ほどドルビーサラウンド7.1での作業をしており、元には戻れないかもしれません(笑)
今後、ドルビーサラウンド7.1を採用した映画作りがスタンダードになっていけば、日本映画の音響効果のクオリティレベル全体が上がっていくと思います。
家庭用ソフトとしてのブルーレイにも7.1chで収録できますが、再生できるご家庭はまだまだ少ないと思います。そういったこともあり、ドルビーサラウンド7.1を採用した作品は、映画館で鑑賞することの優位性があり、他の作品より高い価値があると思います。

とコメント。

■実際に作業を終えた佐藤信介監督は

採用したきっかけは「邦画と洋画の音が違う」と谷口さんから言われたことです。なぜかと聞くと、その理由の一つ が7.1chで製作されているだからだ、と。そして日本映画としてはまだ誰もやってないとも言われました。だったらトライしようと。パート1の目玉の一つ は、ソニーピクチャーズスタジオでの効果音付でした。戦闘シーンに出てくる銃火器が最も映える方法を探ろうと思い、アメリカでの音付にトライする事にし、何社か手を上げてくれたスタジオの内、「スパイダーマン」などパンチがある効果付に最も実績がある、このソニーピクチャーズとタッグを組みました。そして続編でもまた何か、新しい試みをしたいと思っていました。
今回の劇中では、主人公が戦場の只中に置かれるシーンがあります。主人公とともに、映画を観 ている方も銃火器に取り囲まれるような臨場感を表現しかたったので、まさにこの7.1chがふさわしいのではないかと考え、採用に至りました。大変な効果を発揮していると思います。この映画は、現実に存在する空間を生かした近未来設定の映画なので、7.1chによる音響効果によって空間感がよりリアルに感じられ、もっと空想が広がるのではないかと思います。映画において音の進歩と画の進歩は対になっていると思うのですが、カメラや画質、CG技術の向上など、画の進歩は目に見えて上がってきています。一方、音はシステムとしては進化しているものの、まだまだ作品に採用されることが少なかった気がします。 ネットやDVDで映画を観る機会も増えてきていると思いますが、この作品をきっかけに、映画館で観てより良かったと感じていただけるといいなと思います。 映画「図書館戦争」でしか味わうことができない音響体験を、ぜひ映画館で楽しんで欲しいです。

と語っております。

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執筆者

Yasuhiro Togawa