昨年、第1弾『荒野の千鳥足』、 第2弾『SCUM/スカム』を公開し、日本中の映画ファンを釘づけにした「今まで一度も日本に紹介されてこなかった世界の驚愕の映画を上映する≪初公開!世界のどす黒い危険な闇映画≫」ですが、この度、第3弾としてピーター・ワトキンス監督作『懲罰大陸★USA』(原題:PUNISHMENT PARK)、そして第4弾としてニール・ヤング監督・主演、DEVO出演の 『ヒューマン・ハイウェイ ≪ディレクターズ・カット版≫』(原題:HUMAN HIGHWAY)の日本公開が新宿シネマカリテにて決定いたしました!

『懲罰大陸★USA』は『The War Game』(65)でアカデミー長編ドキュメンタリー賞を受賞、日本では『傷だらけのアイドル』(67)で知られる、BBC出身のイギリスの映像作家ピーター・ワトキンスの超問題作。1970年、ベトナム反戦運動の激化を背景に、ニクソン大統領はマッカラン国内治安維持法を発令、アメリカ政府は反政府的・危険分子とみなした者たちを拘束し、カリフォルニアにある「ベアーマウンテン国立お仕置公園」にて人間狩りの標的にして処刑する。ワトキンス監督は70 年のケント大学での国によるベトナム反戦デモ学生射殺事件をきっかけにフェイクドキュメンタリーのスタイルで本作を製作。カンヌ映画祭を経てニューヨークでの公開時、国家による暴力を告発したそのあまりの衝撃的内容により米国メディアは即反応、圧倒的な批判を受け、総攻撃を浴びた。
これにより劇場は4日間で公開を打切り、以後闇に葬られた。本作のテレビ放送を一度検討したハリウッドのテレビプロデューサーは「本作を放送すれば5 分で国家権力が乗り込んでくる」と発言、またPBS主催のセミナーに参加した全米のテレビ局の面々は「どんなことがあっても本作をアメリカのテレビで放送出来ることはない。永遠に放送しない」とコメント。その言葉通り、今まで一度も放送されていない。尚、本作には一切のコメディ要素はございません。

また、 『ヒューマン・ハイウェイ ≪ディレクターズ・カット版≫』はニール・ヤングが300万ドルの自己資金を投じ制作。DEVOのメンバーが働いている廃棄処理場のある街がボブ・ディランの「風に吹かれて」を歌えないほど放射能で汚染されている中、主人公の自動車修理工が夢の中でネイティヴ・アメリカンと一緒に歌ったりコンサートを開くが、最後には原発事故が起こり地球が終わってしまう。
ニール・ヤングは本映画をきっかけとしてDEVOのマーク・マザーズボウの助言と影響により、1979年のアルバム「RUST NEVER SLEEPS」を発表、当時台頭してきていたパンクロックへの共鳴を示すようなアルバムとなった。その中でも永遠に残る代表曲となったのが「Hey Hey, My My」。本作の劇中ではニール・ヤングとDEVOの面々がこの曲で激烈な演奏を見せている。初公開は1982年だが、2014年のトロント映画祭にて突如ディレクターズカット版が登場。今回がめでたく日本初公開となる。

この度はそんな、日本ではなぜか一度も公開されることなく終わっていた衝撃の2作を映画館で上映いたします。

公式サイト
http://yami-movie.com/

8月29日(土)より、『懲罰大陸★USA』
9月12日(土)より、『ヒューマン・ハイウェイ ≪ディレクターズ・カット版』
新宿シネマカリテほかにてレイトショー!

関連作品

http://data.cinematopics.com/?p=54078

http://data.cinematopics.com/?p=54079

執筆者

Yasuhiro TogawaYasuhiro Togawa