ファッション・デザイナーでありながら、ハーモニー・コリン作品のプロデュースや、デヴィッド・リンチ監督作品『マルホランド・ドライブ』やクエンティン・タランティーノ監督作品『パルプ・フィクション』など数々の映画で衣装をデザインするなど、映画に情熱を注ぎ続けてきたアニエスベーがアニエス・トゥルブレという本名で初監督した作品『わたしの名前は…』が2015年10月より公開する運びとなりました。

フランス・ボルドー地方付近を舞台に、家を飛び出した少女と、トラック運転手をめぐる奇妙なふたりのロードムービー。
主人公の12歳の少女は父親から虐待を受けていた。ある日、学校の遠足で出かけた海辺で偶然停まっていたトラックに乗り込んだ彼女は、スコットランド人のトラック運転手と共に逃避行に出る。フランス語と英語、言葉が通じない2人は、次第に心を通わせていくが…。10年以上前に新聞で読んだとある事件の記事をきっかけに、アニエスべー自身が脚本を書いた。

ジョナス・メカス、ソニック・ユース、アントニオ・ネグリ・・・アニエスベーならではの豪華参加陣!
撮影はアニエスベーの友人たちの協力を得てパーソナルなユニットで行われた。『ジダン/神が愛した男』の監督で現代美術家のダグラス・ゴードンがトラック運転手を演じ、音楽にはフランスのエレクトロポップ・デュオ、エール(Air)のジャン=ブノワ・ダンケルが参加、米オルタナティブ・ロック界の最重要バンド、ソニック・ユースも未発表音源を提供している。また、アメリカン・アンダーグラウンドを代表する映画監督、ジョナス・メカスが撮影したシーンには、イタリアの政治哲学者アントニオ・ネグリが出演するなど、アニエスベーならではの豪華アーティスト、や文化人たちが集結した。

「私は、旅で経験する出会いや日常から切り離された純粋な自由を描きたかったのです」アニエスベー

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執筆者

Yasuhiro TogawaYasuhiro Togawa