イランのゴーストタウン“バッドシティ”、ジャンキー、ポン引き、娼婦…、そこは死と絶望に満ちている。暗闇が覆い尽くす夜、町に現れる黒衣の美しい少女。
静かにそして冷たく、町にはびこる悪人たちを襲うその正体は、残忍で美しい牙を持つヴァンパイア。ある夜、少女は孤独な青年と出会い、急速に魅かれあっていく。
それはまるで血塗られた壮絶な世界へと二人を導くように…。
英国出身でロサンゼルスで活躍するイラン系アナ・リリ・アミリプール監督は、マカロニ・ウェスタンやグラフィックノベル、ホラー映画、イラン・ニュー・ウェイヴなどの様々なジャンルに影響を受け、人間の意識下に存在する伝説や図像など、様々なジャンルを織り交ぜた映像を作り上げ、音楽にはイラン・ロックとテクノミュージックとが融合したエンニオ・モリコーネ風のテーマ曲を使用した。このモノクロのワイド画面による広々とした景観と芸術的に引き伸ばされたシーンで味わう興奮は、まるでマカロニ・ウェスタンの巨匠セルジオ・レオーネの今にも爆発しそうな緊迫感と、デヴィッド・リンチのシュールレアリズム(超現実主義)が一体化したような“ネオ・ノワール”とも称される新しいヴァンパイア・ホラーの世界を完成させた。次回作にキアヌ・リーヴス、ジム・キャリー出演の”The Bad Batch”が決定している彼女の才気をあますことなく開眼した長編デビュー作が遂に公開!製作総指揮は、イライジャ・ウッド。

予告編::http://youtu.be/widVZ8rPE74

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執筆者

Yasuhiro Togawa