2014 年の東京国際映画祭においてプレミア上映、アジアの未来作品賞を受賞したイラン映画『ゼロ地帯のこどもたち(原題:Borderless)』が、この度『ボーダレス ぼくの船の国境線』として 10 月に劇場公開決定!

『友だちのうちはどこ?』、『少年と砂漠のカフェ』、『駆ける少年』
イラン“子ども”映画の系譜に新たな傑作の登場。

緊迫する国境沿いの立入禁止区域に放置された朽ち果てた船。鉄条網の向こうの監視を逃れて、その船で寝泊まりをしている少年。器用に魚介を獲り、お金に換える孤独で静かな日々を過ごしている。その生活がある日、国境の反対側からやって来た突然の闖入者の出現により一転する。甲板にロープが張られ、その船は言葉も通じない二人が住む二つの世界に変貌する。やがてお互いに警戒しあいながらも交流を持ち始めたとき、また一人あらたな侵入者が現れる。

監督のアミルホセイン・アスガリはイラン国内で50本以上の映画やテレビシリーズで助監督を務めてきたが、本作が待望のデビュー作となる。監督のアドバイザーとしてアボルファズル・ジャリリも名を連ね、キアロスタミやナデリらと同様に、プロの役者でなく地元に住む素人の子供たちを起用。まだ撮影が始まっていないかのような自然な状況下で演じてもらうことで、言葉の通じない二人が初めは警戒しながら、やがて心の交流がうまれるまでを、子供たちの豊かな表情と身振りを通して描きだしている。昨年の東京国際映画祭でのプレミア上映では、観客に深い感動と涙を誘い「アジアの未来」部門作品賞を受賞。イランからまたひとつ心震える傑作が誕生した。

アミルホセイン・アスガリ監督より。
東京国際映画祭で来日した際、監督は本作のタイトルに込めた思いを次のように話しました。(Q&A より一部抜粋)

『Borderless』というタイトルは、自分の夢、希望なのです。国境がなくなったら、皆がどのくらい幸せに暮らせるのだろうと。その心の希望をタイトルにしました。人と人との間には壁はないと思います。国と国との間にラインを引いたのは国民ではありません。言葉の壁を壊すことは難しいですが、人々の心が通じ合えば、国境がなくなるという希望は叶うだろうと思っています。

関連作品

http://data.cinematopics.com/?p=54071

執筆者

Yasuhiro Togawa