7月12日(日)より開催いたします特集上映企画『昭和の銀幕に輝くヒロイン 第78弾 岡田茉莉子』(モーニングショー)を上映

日本映画全盛期を代表する大女優・岡田茉莉子
傑作『秋津温泉』ほか、選りすぐりの出演作9篇を一挙特集上映!

女優になることを運命づけられたような出自と、その美貌により、1951年『舞姫』で銀幕デビュー。3年後、『芸者小夏』で魅せた清楚ながらエロティックな温泉芸者が当たり役となり、演技派女優の道を着実に歩み始めます。
のちに東宝から松竹へと移籍し、新しい女優像を模索するなかで、一つの到達点ともいうべき傑作『秋津温泉』誕生までの出演作品から、この度ラピュタ阿佐ヶ谷では9篇を精選し、特集上映いたします。

家賃を取り立てる男(佐田啓二)と慰謝料を請求する女(岡田)が集金目当てに旅をするアップテンポな娯楽作『集金旅行』は、コメディエンヌとしての資質が開花し、女優としての幅を広げた一作です。
また京菓子の老舗を継ぐ気丈な現代娘を演じた『女の坂』は、京都の美しい街並と、岡田の凛とした存在感を余すところなく堪能できる好篇となっております。なお本作の撮影中に、当時駆け出しの新人監督が書き下ろした一冊のシナリオが岡田の元に届き、その内容に大きな衝撃を受けたのだとか・・・その差出人こそ、後の伴侶となり、数々の名作をともに作りあげることとなる吉田喜重だったのでした。

 そして本特集のラストを飾る『秋津温泉』は、映画出演100作目を記念して自身がプロデュースと主演をつとめ、その吉田喜重を監督に抜擢。
温泉宿の娘と、結核で胸を患った文学青年(長門裕之)との17年にも及ぶ愛の情念を描いた本作で、その年の女優賞を独占しました。
 多くの映画人、文化人を虜にしてきた岡田茉莉子の息をのむ美しさを、この夏、是非ともスクリーンでご覧ください。

特集上映:『昭和の銀幕に輝くヒロイン 第78弾 岡田茉莉子』
開催期間:2015年7月12日(日)〜2015年9月12日(土) 連日10:30より一回上映
上映作品:『あすなろ物語』(1955年・東宝/監督:堀川弘通/出演:久保明、木村功、久我美子)
『青い果実』 (1955年・東宝/監督:青柳信雄/出演:小林桂樹、小泉博、宝田明)
      『山鳩』 (1957年・東宝/監督:丸山誠治/出演:森繁久彌、千秋実、東野英治郎)
      『女の坂』 (1960年・松竹/監督:吉村公三郎/出演:佐田啓二、乙羽信子、高千穂ひづる)
      『渦』 (1961年・松竹/監督:番匠義彰/出演:佐田啓二、佐分利信、岩下志麻)
      『集金旅行』 (1957年・松竹/監督:中村登/出演:佐田啓二、花菱アチャコ、中村是好)
      『ある落日』 (1959年・松竹/監督:大庭秀雄/出演:高橋貞二、森雅之、朝丘雪路)
      『霧子の運命』 (1962年・松竹/監督:川頭義郎/吉田輝雄、田村高廣、佐々木すみ江)
      『秋津温泉』 (1962年・松竹/監督:吉田喜重/長門裕之、日高澄子、殿山泰司)

料 金 :一般1,200円 シニア・学生・水曜サービスデー1,000円 会員800円
2015年7月12日(日)〜2015年9月12日(土)

執筆者

Yasuhiro Togawa