カンヌ、ヴェネチア、ベルリンに並ぶ世界四大映画祭の一つとして名高い「第37回モスクワ国際映画祭」(2015年6月19日〜26日)のコンペティション部門に、このたび日本から唯一出品されておりました、映画『きみはいい子』(6月27日よりテアトル新宿ほか全国ロードショー)が、NETPAC賞(The Network for the Promotion of Asian Cinema / 最優秀アジア映画賞)を受賞いたしました。

『そこのみにて光輝く』で、モントリオール世界映画祭最優秀監督賞をはじめキネマ旬報ベストテン監督賞など、あわせて41もの映画賞に輝いた呉美保監督が、第28回坪田譲治文学賞、2013年本屋大賞第4位に輝いた中脇初枝の名著を映画化した『きみはいい子』は、虐待やいじめ、独居老人といった現代社会における子どもとおとなの問題を描きながらも、「ひとがひとを愛するということ」を真摯に、丁寧に紡ぎあげた名作です。

モスクワ国際映画祭には、呉美保監督とエグゼクティブ・プロデューサーの川村英己が参加し、6月23日に現地で会見を行い、本作のテーマについて質問を受けた監督は、「これは世界の誰にでも当てはまるテーマなんじゃないかと思っている。ひとつでも救いになったり、何かの一歩になるきっかけになれば」と語りました。監督の言葉を示す通り、翌24日の公式上映終了後には呉監督のもとに大勢の観客が駆け寄り、「この映画を世界中のひとたちに観てほしい!」、「これは世界中、どこの国にでも当てはまる」と、本作のテーマに深く共感する感想を興奮気味に伝えていました。

なお明日27日(土)はテアトル新宿にて、呉美保監督や高良健吾、尾野真千子らキャストによる初日舞台挨拶もあり、その場で監督自ら受賞コメントを発表します

関連作品

http://data.cinematopics.com/?p=52703

執筆者

Yasuhiro Togawa