ザ・ビーチ・ボーイズの中心的存在であるブライアン・ウィルソンの知られざる半生を、本人公認のもと初めて描く『ラブ&マーシー 終わらないメロディー』が、8月1日(土)より角川シネマ有楽町、ヒューマントラストシネマ渋谷ほか全国ロードショーとなります。

バンドの絶頂期にあった60年代と、長い闇の中から再び希望をもたらす80年代というブライアンの異なる時期を2人1役で演じ分けるという大胆な手法で描く本作で、60年代のパートを担うのは、アメリカ人若手演技派俳優の代表格といえるポール・ダノ。『リトル・ミス・サンシャイン』や『ゼア・ウィル・ビー・ブラッド』で注目され、『ルビー・スパークス』、本作の監督であるビル・ポーラッドがプロデューサーを務めた『それでも夜は明ける』など、クセのあるキャラクターは観る者に強烈な印象を与える。今後も今年のカンヌ国際映画祭コンペティション部門に正式出品された「Youth」(原題)の公開が控えるなど、アート系の監督から引っ張りだこの活躍だ。その彼が、本作で初めて実在する人物を演じ、新境地に挑んでいる。
ダノが31歳の誕生日を迎えた本日6月19日、ブライアン本人とのそっくり振りが分かる比較画像を解禁!

新作制作へのプレッシャーに苦しみ徐々に精神が壊れていく若きブライアンを演じるに当たり、ダノは14キロもの増量を敢行。しかし、彼が行った役作りは容姿面のアプローチにとどまらない。自身のバンドMookではギターとヴォーカルを担当しているが、地声に近い音域であるのに対して、ザ・ビーチ・ボーイズの中で高音パートを担当していたブライアンを演じるとあって、撮影前には入念なボイストレーニングを行った。度々登場するブライアンとして歌うシーンでは、代役なしで本人の歌声そっくりな“生声”を披露。さらに、本作でもその制作過程を丹念に描くポピュラー・ミュージック史上不朽の名盤「ペット・サウンズ」制作に関わったミュージシャンからベースやピアノの弾き方の特訓まで受けたという。ダノは、本作について「この役に取り組むことにヤバイぐらいに夢中になって楽しんだ。心を奪われたよ。」と語っている。演技派が徹底した役作りで魅せる “なりきり演技”にぜひ注目してほしい。

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執筆者

Yasuhiro Togawa