終戦 70 周年の今年、東宝、東映、日活、KADOKAWA、松竹の各映画会社から、戦前から戦後にかけ製作された作品を中心に「戦争映画」のブルーレイ及び DVD が続々発売となります。日本人の平均寿命が 80 歳の半ばに達した現在ですが、先の戦争を体験とした人々が少なくなりつつあるこの時代だからこそ、一度は視点を戦前・戦時下・終戦時に向けることが求められているのかも知れません。
松竹株式会社は、初DVD化4作品を含む『松竹戦争映画の軌跡』DVD-BOX を通信販売限定で発売します。

松竹・大船の監督たちは、あの戦争をどうのように描いたのか?松竹は、戦前から〈大船調〉という言葉に代表されるホームドラマを得意としてきました。しかしながら時代はそれを許さず、戦局の悪化にともない、のんびりとしたホームドラマは国民の共感を得られなくなり、加えて、民間用には 1 ミリもフィルムが調達できない情勢となりました。撮りたい映画を撮れない状況下、国策と反戦の間で葛藤しながら、当時の監督たちは時代を、人をどう描いたのか。時局と照らし合わせながら、その軌跡をたどります。

『松竹戦争映画の軌跡』 DVD-BOX は、初DVD化 4 作品『進軍』『少年航空兵』『西住戦車長傳』『「雲の墓標」より 空ゆかば』と『陸軍』の 5 枚組、サイレント作品を含んだ貴重なフィルムを最新の技術で HD 化し、公開当時の映像が 70 年の歳月を経て蘇ります。
チャップリンが監督した『サーカス』(1928 年)で撮影助手を務めたことでも有名な牛原虚彦監督のサイレント作品『進軍』や、松竹戦争映画史上最大のヒット作『西住戦車長傳』等、映画ファン必見の見応えのある作品を収録、特製ブックレット付の貴重な DVD-BOX となっています。

【商品情報】
「松竹戦争映画の軌跡」DVD-BOX(5 枚組)
7 月 29 日(水)松竹DVD倶楽部ほか通信販売限定発売
価格:\14,000+税
発売・販売元:松竹
<収録内容> Disc1:『進軍』(1930 年)サイレント 初DVD化 監督:牛原虚彦 キャスト:鈴木傳明/田中絹代 119 分 字幕あり Disc2:『少年航空兵』(1936 年)初DVD化 監督:佐々木康 キャスト:本郷秀雄/水島光代/日下部章 101 分 Disc3:『西住戦車長傳』(1940 年)初DVD化 監督:吉村公三郎 キャスト:上原謙/佐分利信/笠智衆 126 分 Disc4:『陸軍』(1944 年)監督:木下惠介 キャスト:田中絹代/笠智衆/三津田健 87 分 ※2012 年発売の商品と同じマスターを使用。 Disc4:『雲の墓標より 空ゆかば』(1957 年)初DVD化 監督:堀内真直 キャスト:田村高広/岸恵子/笠智衆 105 分 <封入特典> 特製ブックレット〈20P〉(解説:映画史家・谷川建司氏) 谷川建司氏プロフィール:早稲田大学政治経済学術院 客員教授、国際日本文化研究センター客員教授、 映画ジャーナリスト。主な著書として、「アメリカ映画と占領政策」など。 【お問い合わせ・お求め先表記】 松竹DVD倶楽部 フリーダイヤル TEL:0120-135-335(土日祝を除く 10 時〜17 時) http://www.shochiku-home-enta.com

参考:邦画各社、関連映画ブルーレイ・DVD リリース情報
◆東宝 「東宝 DVD 名作セレクション 第 2 弾」 好評発売中 『零戦燃ゆ』他 23 作品
◆東映 「戦争映画 Blu-ray 名作選」 8 月 5 日発売 『男たちの大和 YAMATO』他 5 作品
「ザ・定番シリーズ第8弾」 7 月 8 日発売 『あゝ同期の桜』他 10 作品
◆日活 『戦争と人間 Blu-ray Box』・『戦争と人間 Blu-ray 単品第一部〜第三部』8 月 4 日発売
◆KADOKAWA 「角川シネマコレクション」7 月 31 日発売『姿なき一〇八部隊』他 5 作品

執筆者

Yasuhiro Togawa