1997年の中国への返還を目前にし、市民の不安と混乱が錯綜した90年代の香港。そうした不安定な世相を反映してか、映画界ではエロ・グロ・バイオレンス描写を前面に打ち出した【Ⅲ級片(成人映画)】ブームが巻き起こった。スクリーンで暴走するパワフルかつカオスな世界観は、地元民のみならず、世界中の映画ファンや映画作家たちをも魅了していった・・・。
あれから約20年、当時日本では一部のファンしか観ることができなかった90年代の香港バイオレンスムービーの傑作を集めた特集『スーパークレイジー極悪列伝』が、8月1日(土)よりヒューマントラストシネマ渋谷にて開催されることが決定した!

 今回上映される作品は、いずれも香港の鬼才ハーマン・ヤウ監督と香港映画界の怪優アンソニー・ウォンを主演に抜擢した代表的な3作品。マカオで実際に起こった猟奇殺人事件をモデルにし、93年の本国での公開以来、各地で話題をさらった知る人ぞ知る伝説のカルト映画『八仙飯店之人肉饅頭』(本作でアンソニー・ウォンは第13回香港電影金像奨の最優秀主演男優賞を受賞)が満を持して日本での劇場初公開となることをはじめ、昨今、世界の話題の中心となっているエボラ出血熱を扱ったパニック・ホラーの傑作『エボラ・シンドローム〜悪魔の殺人ウィルス〜』が18年振りにリバイバル上映、そして香港のタクシー運転手に対して壮絶な復讐を図る社会派映画『タクシーハンター』が日本初公開となる。

 今回解禁となった特集のキービジュアルからも分かるように、アンソニー・ウォン演じる主人公が、目を瞑るたくなるほどの極悪非道ぶりをそれぞれの作品で発揮しており、その怪演ぶりを作品ごとに見比べてみるというのも楽しみの1つとなっている。

●特集タイトル: 『スーパークレイジー極悪列伝』
●上映作品: 『八仙飯店之人肉饅頭』(93)※劇場初公開!
         『エボラ・シンドローム〜悪魔の殺人ウィルス〜』(96)
         『タクシーハンター』(93)※日本初公開!
●公開日程: 8月1日(土)よりヒューマントラストシネマ渋谷にて上映

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執筆者

Yasuhiro TogawaYasuhiro Togawa