戦前のカナダ・バンクーバーで、差別や貧困の中にあってもフェアプレーの精神でひたむきに戦い抜き、日系移民に勇気と誇り、そして希望を与え、さらには白人社会からも賞賛と圧倒的な人気を勝ち得た実在の野球チーム“バンクーバー朝日”。この伝説の野球チームの当時の記録をもとに、戦前の日系移民の壮大なドラマを描き出した映画『バンクーバーの朝日』のブルーレイ&DVDが、7月15日(水)発売となります。3 枚組となる豪華版には特典映像として、妻夫木聡、亀梨和也、石井裕也監督による<撮り下ろし>ビジュアルコメンタリーを収録することが决定し、先日、収録が行われました。

【ビジュアルコメンタリー収録レポート】

ちょうど 1 年前となる 2014 年 2 月〜4 月に撮影された映画『バンクーバーの朝日』。戦前のカナダ・バンクーバーで、日系移民のみならず、白人社会からも賞賛と圧倒的な人気を勝ち得た実在の野球チーム“バンクーバー朝日”。当時の記録をもとに壮大なドラマを描き出し、大ヒットを記録、日本中を感動で包み込んだ。本作の Blu-ray & DVD が 7 月 15 日(水)に発売となる。3 枚組の豪華版には、特典映像として、レジー笠原役の妻夫木聡、ロイ永西役の亀梨和也、石井裕也監督によるビジュアルコメンタリーの収録が決定、先日収録が行われた。進行役はフジテレビアナウンサーの笠井信輔が務めた。

妻夫木聡、亀梨和也はともにビジュアルコメンタリー初挑戦。妻夫木は「自分の作品を観ている顔を撮られるのは恥ずかしい。つい当時を思い出して画面の中の自分と一緒に演技しちゃったりするんだよね。反省点を探しちゃったりして」と言うと亀梨も「今日の朝までオーディオコメンタリー(音声のみ)だと思ってたから、控室に入ったらメイクさんがいて、え!!!顔も映るの!?って驚いた。」と、“初”となる撮影に緊張気味。
石井監督と 3 人で、見入っちゃわないように気をつけよう、と声を掛け合い、撮影がスタートした。
映画がスタートすると、撮影に入る前の期間にどう役作りをしたのか、どのように感情を作っていったのか、などシーンに合わせてそれぞれが解説した。唯一野球未経験だった妻夫木は、撮影前の合宿で人一倍トレーニングに励み、怪我を負ってしまったという。それは撮影に入る2,3 週間前のことで「撮影に間に合うか焦ったけど、怪我をしたおかげで、“キャッチボールだけでも出来ないか”とか、とても野球をやりたい気持ちが高まった。」と怪我の功名を明かした。一方野球経験がある亀梨は投球フォームを変えていたそうで、「当時の資料をみると、いまの投球フォームのほうがメカニカルなので、それをちょっとくずしたいというのと、僕の時代はアメリカに行ったのが野茂さんだったので、リスペクトの意味を込めて大げさにならない程度にひねりを入れて、(フォームを)作りましたね。」と話すと、石井監督は「初めて聞いた」と感心した表情を浮かべ、妻夫木も「しっかり考えてますよね。頼りになるロイでした。」と称えた。
本作のために、約2ヶ月に渡りロケ地である足利市(栃木県)に滞在し、役作りに没頭した妻夫木に対し、亀梨は「本当にすごいと思う。
妻夫木さんは生活を役(レジー)や作品に寄せていっていた。これは時間があっても出来ることではない。」と絶賛。妻夫木は「理屈で考えず、その役に生(な)ることを考えるようになった。」と話し、きっかけは『悪人』(‘10)であることも明かした。
コメンタリーではこのほかにも、まだまだ尽きない野球シーン撮影のエピソードも満載。更に、キャスト同士でのメールのやり取りを明かしたり、撮影以外でのエピソードも次々と飛び出し、ここでしか聞けない、貴重な裏話が満載のコメンタリーとなった。
最後に、「かけがえのない作品。」という妻夫木に対し、亀梨は「振り返った時に大きな財産となっていると思う。」と続け、石井監督は「この作品を作って良かったと思う。このメンバーでこの作品を作れたことは誇りに思う。死ぬときに思い出すかもしれない。」と本作を振り返った。

『バンクーバーの朝日』 7 月 15 日(水)発売
■Blu-ray 豪華版 3 枚組 ¥7,800 + 税
■DVD 豪華版 3 枚組 ¥6,800 + 税
※ Blu-ray 通常版(4,800 円+税)、DVD 通常版(3,800 円+税)も同時発売、7 月 8 日(水)レンタル開始。
©2014「バンクーバーの朝日」製作委員会
発売元:フジテレビジョン 販売元:東宝

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執筆者

Yasuhiro Togawa