レイドバック・コーポレーション配給、映画『ウィークエンド・チャンピオン〜モンテカルロ1971』は、1971年、モーターレース・ファンの映画監督ロマン・ポランスキーが友人の世界チャンピオン、ジャッキー・スチュワートとともにF1最大のビッグイベント、モナコ・グランプリの週末を共に過ごしたことから、1本の映画へと昇華され、1972年にベルリン国際映画祭でワールドプレミア上映されました。
その後、倉庫に埋もれていたフィルムが奇跡的に発見され、40年の時を経てポランスキーとスチュワートがモナコ・グランプリの週末を改めて語り合った本作は、F1の歴史、モナコの空気をスクリーンを通して伝えてくれる作品です。

作品中では、当時のモンテカルロ市街地コースを、ジャッキー・スチュワートが解説しながら走行するシーンなどもあり、40年前の様子を鮮明に伝えています。今週末開催される2015 F1第6戦モナコ・グランプリ決勝。
当時と現在との違いを見つけてみるのも、ファンにとっては魅力的なポイントになるでしょう。

■1973年のコース後半部分大改修
「トンネル」
F1が開催されるサーキットの中で唯一のトンネルが、1975年からトンネルの上に「ローズホテル(現在はフェアモントホテルに改名)」が開業するため、117mから376mに延長され内部の照明設備が近代化されました。
それに伴い、ホテル前ヘアピンコーナーの名称も「ステーション・ヘアピン」から「ローズ・ヘアピン」、「グランドホテル・ヘアピン」、「フェアモント・ヘアピン」と、ホテルの名称に合わせて変更されています。

「プール」
スイミングプール開設に伴い、これを迂回するセクションが追加されました。
1997年にはプール入口を改修し、ルイ・シロンと命名。
「ルイ・シロン」は作品中にも登場するモナコ出身のF1ドライバーで、モナコGPにおいては長く競技員長を務めスタートの旗振りを務めていました。
※画像はDVD「formula one 1974」(ユーロピクチャーズ)より

「ガスワークヘアピンをラスカスに変更」
元は単純なヘアピンコーナーで、コースの間がピットエリアになっていましたが、
現在では考えられないような簡易的なもので、安全管理など全く考えられていませんでした。

「縁石」
縁石が角ばっていたのは1973年までで、1974年からは現在のような処理が施されています。

今後随時、公式HPにて、更新情報をお伝えしてまいります。7月上旬の公開まで今しばらくお待ちください。

Jackie Stewart(ジャッキー・スチュワート)
1939年生まれ、イギリス、スコットランド出身1965年、BRMからF1に参戦。8戦目のイタリアGPで初優勝を達成する。
1969年、開幕からの8戦で6勝という記録を作り初の世界チャンピオン。F1算勝利は27回。
スチュワートは偉大なチャンピオンとしてだけでなく、F1の安全性について、誰よりも使命感を持ち啓蒙していったことで知られる。

Roman Polanski( ロマン・ポランスキー)
ポーランド人の映画監督。1962年「水の中のナイフ」で監督デビュー。
その後「吸血鬼」「ローズマリーの赤ちゃん」「マクベス」など話題作を生み出し、時代の寵児と言える映画監督となる。
当時からモーターレースの大ファンとして知られ多くのF1ドライバーと交流があった。
2002年公開の「戦場のピアニスト」でカンヌ映画祭パルムドール、アカデミー監督賞を受賞。

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執筆者

Yasuhiro Togawa