原作は、38歳という若さでこの世を去ったヨメと、彼女を支え続けたダンナこと清水浩司さんの闘病ブログから生まれた「がんフーフー日記」(小学館刊)。作家志望の「ダンナ」が、長年友人だった「ヨメ」と出会って17年目にして結婚、1ヶ月後に妊娠発覚。その5ヶ月後にはヨメに悪性腫瘍が発覚し、怒涛の育児と闘病生活を送っていく。夫婦が駆け抜けた493日の記録は、闘病ブログとして人気を博し、2011年に書籍化。夫婦の実話に今なお日本中が温かい涙に包まれています。

映画化にあたっては、<死んだはずのヨメと残されたダンナが、夫婦だった時間を振り返る>という設定が加えられ、ブログには書かれなかった夫婦の想い、そして家族の愛を浮き立たせ、笑いながら涙が溢れる、かつて無いストーリーが誕生しました。

本作で主演を務めるのは佐々木蔵之介。ヨメを亡くし、残された赤ん坊を抱えて育児と仕事に奔走する役どころ。同じく主演を務める永作博美は、亡くなった後も、ダンナの前に幻影として現れるヨメを演じます。夫婦を支える友人・家族役には、杉本哲太、佐藤仁美、高橋周平、という演技派俳優陣らが脇を固め、個性あふれるキャラクターを創り上げました。

佐々木蔵之介さん演じる作家志望のダンナは、ヨメの死後、息子にとってたった一人の親となりました。仕事をしながらの子育て、それは想像以上に大変なこと。そして息子“ぺ〜”の顔を見るたび、「ヨメ」という存在が永遠にいなくなってしまったという大きな喪失感が襲ってくるのです。そんな時ダンナのもとへ、ヨメの病状や家族について綴っていた闘病ブログの書籍化の話が舞い込んできます。「作家になりたい」という夢を叶えるチャンスを手に入れたダンナは、息子“ぺ〜”を広島県の実家に預け、1人、川崎のマンションで執筆作業に励みます。それは悲しい現実からの逃避でもありました。そしてある日実家から1本の電話が。息子が高熱を出したというのです。その時ダンナは思い出します。悲しくても辛くても、息子にとって自分がたった一人の親であることを。高熱に苦しむ愛する息子“ぺ〜”の為にダンナ=佐々木蔵之介さんが疾走する!

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執筆者

Yasuhiro Togawa