10月22日(木)〜31日(土)開催の第28 回東京国際映画祭で、クラシック特集として、詩人・演出家・映画監督とマルチな才能を発揮して 60年代のアンダーグラウンドカルチャーを牽引した寺山修司と、『市民ケーン』以降、世界の映画製作に多大な影響を与え続けたオーソン・ウェルズの特集上映を開催することが決定いたしました。

生誕80年記念 クラシック特集 テラヤマ・フィルムズ

寺山の生誕80年を記念して、彼が監督した長編映画作品をセレクトし特集上映します。本特集では、カンヌ国際映画祭に出品された『田園に死す』(1974 年)、泉鏡花の同名小説を元に映画化した『草迷宮』(1978)などの代表作の上映を予定。映画監督としての「天才」寺山修司の姿を追いかけます。

<寺山修司プロフィール>1935 年、青森県出身。少年時代から俳句を書き、早稲田大学在学中は短歌の歌人として活動。
大学中退後、戯曲家、ラジオドラマ作家、映画の脚本家として活動。1967 年、31 歳で劇団『天井桟敷』を設立。1971 年、長編劇映画第一作『書を捨てよ町へ出よう』(サンレモ映画祭グランプリ)を脚本、監督。74 年に監督した『田園に死す』は翌年のカンヌ映画祭出品。82 年、病を押して『さらば箱舟』を監督。翌 83 年に 47 歳の若さで病死した。寺山の遺した戯曲、映画、言葉たちは今も世代を超えて世界を挑発し続けている。

生誕 100 年 オーソン・ウェルズ特集(仮称)

共催:東京国立近代美術館フィルムセンター、モーション・ピクチャー・アソシエーション(MPA)、㈱日本国際映画著作権協会(JIMCA)
『市民ケーン』(1941 年)でセンセーショナルな映画界デビューを飾り、世界映画史に多くの伝説を残した“天才”オーソン・ウェルズ。
そのエネルギッシュで独創的な仕事ぶりは、多くの未完作品や異なるバージョンを含む膨大なフィルモグラフィーを生みだしました。
本特集では、ミュンヘン映画博物館の協力を得て、『市民ケーン』などの代表作の上映を予定。生誕 100 年の節目に「まだ誰も知らないウェルズ」に迫ります。

執筆者

Yasuhiro Togawa