原作は、昭和52年から約30年におよび小学校5年生の教科書に掲載され、5月には大人向け文庫化が決定している、平和を訴え続ける不朽の名作です。戦争の中、貧しいながらも懸命に育て上げた7人の子供たちを次々と兵隊にとられ、そのたびに子供の数だけ桐の木を植え、無事に生きて帰るのを待つ…そんな強く優しい母親・田村ミツを鈴木京香が演じます。共演には、田村家の次男、二郎:三浦貴大や、ミツの夫の同僚で、夫の亡き後も田村家を見守り続ける昌平:田辺誠一、その娘サユリ:志田未来らが名を連ね、いつの時代も決して変わることのない人々の繋がりや、“母と子の情愛”を描きます。

★キャンペーンを始めるに至った鈴木京香の想い★
「70年前、家族と離れて一人戦場へ旅立った子供がいたこと、子供を断腸の思いで見送り、帰りを待ち続けたおかあさんがいたことを、子供たちにしってほしい。」そう願う鈴木京香自身の発案で各地の学校で読み聞かせを行うことになりました。子供たちへ読み聞かせるのは、本作の原作であり、発行から約30年、小学生の国語の教科書に載り続けた現代民話「おかあさんの木」。
「この物語を聞いた子供たちが、その家族やお友達にお話してもらえれば。」鈴木京香のそういう思いから企画が走り始めました。

今回のキャンペーンでは、鈴木京香が全国の小学校で「おかあさんの木」の原作と、もう一編の読み聞かせを行い、訪問の記念として桐の苗木と「おかあさんの木」の原作本を学校に贈呈。読み聞かせを聞いた子供たちには、平和を願って折鶴を折ってもらいます。そして、反戦のアイコンである広島県の平和記念公園では、よみきかせを行った各都市の子供たちが折った折鶴を捧げ、今回のキャンペーンを締めくくる予定です。

■読み聞かせキャンペーンスケジュール

5月14日(木)〜21日(木)の日程で以下の地域の小学校を回ります

→長野県上田市…映画の舞台となった長野県の「上田市立西内小学校」を訪問
小学校の裏山には、100本以上の「戦争松」があります。
※戦争松とは…第2次世界大戦時に燃料不足に陥った日本軍が、代替燃料として使用するために、松ヤニを採取した跡が残っている松の木のことです。戦争を今に伝えるこれらの松を身近な教材として活用し、平和教育の推進に資するため、校庭には説明看板を校庭に設置しています。

→愛知県名古屋市内の小学校を訪問

→大阪府内の小学校を訪問

→鹿児島県鹿児島市内の小学校を訪問
 東映の戦後60年作品『男たちの大和』に、中村獅童演じる内田守二等兵軍曹の娘役として出演。今回の70年作品では、母親として思い出の地を訪れます。
また、今作の現代パートの語り部としてサユリを演じる奈良岡朋子が、特攻隊員たちに“知覧の母”と呼ばれた、とみや食堂の女主人・山岡富子を演じた『ホタル』の舞台でもあります。

→広島県広島市内の小学校の訪問と、平和記念公園での献花・折鶴の奉納を行う予定。

鈴木京香Q&A

Q1:なぜ、「おかあさんの木」を読み聞かせたいと思ったのでしょうか
A:原作者の大川悦生さんは、全国を旅して各地に伝わる民話を集めて歩いたとうかがいました。その際、母親が戦地に送った息子の代わりに木を植え育てている、という話を耳になさったようです。キャンペーンでは全国をまわり、沢山の方と触れ合える機会ですので、一人でも多くの子供たちにこの物語を知ってほしいという思いから、読み聞かせを発案させていただきました。

Q2:京香さんは「おかあさんの木」をどのように読み聞かせたいですか
A:演じさせていただいた物語を改めて声に出して読むと、とても新鮮でした。日本語の響きや方言の温かさもこの「おかあさんの木」の物語にのせて、子供たちに伝えられたらいいと思います。読み聞かせを聞いた子供たちが、家族や友達と感想を言い合ってくれたらとても嬉しいです。

Q3:「広島、鹿児島といった歴史的に戦争と関わりが深い都市がキャンペーン訪問先にあります。そこで生まれ育っている子供たちの前で「おかあさんの木」を読むということは戦後70年の今大変意義深いことだと思うのですが如何ですか
A:他の地域で暮らすどの子供よりも日常で戦争に触れてきた子供たちと、改めて「平和」について考えたいと思います。そして皆さんが行っている平和への活動が少しでも広がるようお手伝いが出来たら、戦争で息子7人を兵隊にとられてしまったミツというお母さんを演じた私にとっても幸せなことです。

Q4:今回のキャンペーンへの意気込みをお願いいたします
A:沢山の子供たちと直に触れ合えることがとても楽しみです。子供たちが「おかあさんの木」をどう受け止めてくれるのか… 一生懸命伝えたいと思います。

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執筆者

Yasuhiro Togawa