山田洋次監督の83作目となる最新作『母と暮せば』。
1948年8月9日。長崎で助産婦として暮らす母のもとへ、3年前に原爆で亡くしたはずの息子がひょっこり現れる。楽しかった思い出話や、残していった恋人の話をして過ごす二人の日々を描いた、山田監督が初めてつくる、やさしく泣けるファンタジー作品で2015年12月12日(土)より公開となります。 
作家・井上ひさしさんが、広島を舞台に描いた『父と暮せば』と対になる作品を、長崎を舞台につくりたいと願っていたことを知った山田監督が、終戦70年となる今年、その井上さんの想いに捧げ映画化にのぞみます。母・伸子役に吉永小百合、息子の浩二役に二宮和也、浩二の恋人・町子役に黒木華という理想的なキャスティングが実現しました。

今回解禁させていただきます、キャスト情報は一人で暮らす伸子(吉永)を心配し何かと世話を焼く“上海のおじさん”役に、舞台を中心に活躍し日本演劇界を代表する俳優、加藤健一、そして、黒木華演じる町子に心惹かれていく青年・黒田役に、山田組には吉永小百合主演の『母べえ』(07)以来の出演となる浅野忠信です。

また、特報が完成し、5月2日(土)より全国の劇場にて上映開始予定となっております。

『母と暮せば』は4月26日にクランクインし、現在撮影中。12月12日(土)より全国公開いたします。併せて掲出が開始となります第一弾ポスターは家の形を模した鮮やかな花々を背景に、肩を寄せ合って歩く吉永さん、二宮さん演じる親子の、幸せに満ちた柔らかな表情が印象的なポスタービジュアル今は別々の世界に住む二人の、かつての楽しかった日々を切り取った切ない一枚でもあります。

ポスター撮影には山田監督も参加し、突如、台本にはない掛け合いを演出。「しっかりつかまってろよ」と頼もしげに言う息子の浩二(二宮)に、「はいはい」と母・伸子(吉永)が応える、というやり取りを繰り返し演じながら撮影が行われました。クランクイン前にも関わらず、山田監督も「よーい、はい!」と本番さながらに演出に力が入り、演じる二人も、早くも本物の親子のような息の合った演技を見せていました。

このポスターのプロデュースを手掛けたのは、「オランジーナ」(サントリー)の「ムッシュはつらいよ」のCMなどで山田監督とも親交の深い広告界のトップクリエイター高崎卓馬氏。そして今回のポスターから使用される新しいロゴを、新潮文庫の「Yonda?」のパンダのイラストなどで知られる人気イラストレーター100%ORANGEが手掛け、温かみ溢れるロゴが誕生。日本のトップクリエイター陣が集結、やさしさの中に切なさが込められた、印象深いビジュアルのポスターが完成しました。

また同時に完成した30秒の特報には、この特報ために特別に収録された、二宮和也さんによる浩二のセリフが使用されています。
「1945年8月9日、午前11時2分、ぼくは死んだ—。母さん。母さんは諦めが悪いから、なかなか出て来られなかったんだよ。」
母を想う気持ちが全面からあふれ出るような、感動的なナレーションが涙を誘います。さらに特報には、ポスターとは別の撮り下ろし写真が登場。前を見つめ微笑む母(吉永)と、その母を隣で見つめる息子(二宮)。互いのことを想いながらも、別々の世界にいる二人の視線は合うことがない、という切なさが表現されています。

<吉永小百合 コメント>
ニノと腕を組んで撮影して、サユユは幸せです。優しい夢のようなポスターが出来ました。ポスターに負けないような作品の完成をめざして、これから頑張ります!(サユユ…去年12月、二宮さんが嵐のコンサートの舞台で、私のことを「今度サユユと共演します」と言っていらしたので)

<クリエイティブ・ディレクター 高崎卓馬 コメント>
死んだはずの息子とその母の物語。この台本を読んで、泣いてしまいました。山田監督と何度もお話をして、
この映画の後の世界を一枚の絵にするようにしました。母と息子のなかにある永遠の物語を表現しました。
現場に突然現れた山田監督の演技指導がはじまって、どんどん吉永さんと二宮さんが本物の親子にしか見えなくなって本当に驚きました。

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執筆者

Yasuhiro Togawa