このたび、東京都とアーツカウンシル東京およびタレンツ・トーキョー実行委員会(東京フィルメックス)、そして今年度より参加の国際交流基金アジアセンターの主催、並びにベルリナーレ・タレンツ(ベルリン国際映画祭)との提携のもと、映像人材育成プロジェクト「タレンツ・トーキョー2015」を「第16回東京フィルメックス」期間中の11月23日〜11月28日に実施する運びとなりました。

このタレンツ・トーキョー2015の実施に際して、以下の2点をお知らせと、修了生の活躍についてご連絡いたします。
(1)参加者(タレンツ)の募集を5月18日より開始。
(2)国際交流基金アジアセンターが新パートナーとして参加。
(3)修了生、三宅響子監督がピーボディ賞受賞!

<開催概要>

名称:Talents Tokyo 2015 タレンツ・トーキョー 2015
(略称:タレンツ・トーキョー)
会期:平成27(2015)年11月23日(月・祝)〜11月28日(土)
会場:有楽町朝日ホール他
対象:東アジア、東南アジアの映画監督とプロデューサーを目指す方
募集人数:国内外合わせてあわせて約12〜15名
募集地域:東アジア、東南アジア
応募期間:平成27(2015)年5月18日(月)〜6月18日(木)

ホームページ:http:// talents-tokyo.jp

主催:東京都、アーツカウンシル東京(公益財団法人東京都歴史文化財団)、タレンツ・トーキョー実行委員会(東京フィルメックス)、国際交流基金アジアセンター
提携:ベルリナーレ・タレンツ(ベルリン国際映画祭)
協力:東京ドイツ文化センター(予定)、その他、

*2015年4月28日現在

◎タレンツ・トーキョー2015 実施目的
 ドイツのベルリン国際映画祭の一環として開催され、人材育成プログラムとして実績のある「ベルリナーレ・タレンツ」(以下「BT」という)。その海外展開におけるアジア版として、BTと連携し、10〜20年後を見据えて都市・東京と映画文化のあり方を求め「次世代の巨匠」を生むプロジェクトを実施します。

映画作家(監督)を志すアジアの若者と、その作家たちの創造活動を実現するアジアの若手プロデューサー(以下「タレンツ」という)約12〜15名を東京に集め、現在活躍するプロによる講義、企画合評会を通じて第一線の人材の講師(エキスパート)の視線に晒されることで、強烈なインスパイアを受ける体験(コア・プログラム)を促すとともに、作品発表の場である「第16回東京フィルメックス」コンペティション作品の上映とQ&A等への参加を通じて、タレンツ同士、タレンツとプロの間でネットワークを築くことを目的とします。

 実施プログラム、エキスパートについては後日、公式サイトで発表します。

1、参加者(タレンツ)募集
5月18日より「タレンツ・トーキョー2015」のオンラインでの参加者の募集を開始します(6月18日まで)。応募資格、応募方法などの詳細は5月18日に開設します「タレンツ・トーキョー2015」公式サイト内の応募規約(英語版)を御確認ください。原則として公式サイトからの応募のみ受け付けます。

【タレンツ・トーキョー2015に関するお問い合わせ先】
東京フィルメックス内 タレンツ・トーキョー事務局 係
〒107-0052 東京都港区赤坂5-4-14トレード赤坂ビル3F
Tel: 03-3560-6393 Fax: 03-3586-0201 Email: talents@talents-tokyo.jp

■ ベルリナーレ・タレンツ
 ドイツのベルリン国際映画祭(ベルリナーレベルリン)の一環として開催され、人材育成プログラムとして実績ある「ベルリナーレ・タレンツ」(以下「BT」という)。2003年から始まったベルリナーレ・タレント・キャンパスを前身として、2014年2月の開催時より名称が変更されました。毎年、映画を志す300名の若者をベルリン国際映画祭期間中のベルリンに招いて開かれ、その海外展開として、「タレンツ・インターナショナル」がダーバン、ブエノスアイレス、サラエボ、グアダラハラ、ベイルートの各都市の映画祭に併せて開かれています。「タレンツ・トーキョー」は、この展開における唯一のアジア版として、BT提携のもと開催されます。

■これまでの実績
 2010年から前年まで計5回実施いたしました。Next Masters Tokyo(NMT)として1回、2011年より2013年までBT(当時はベルリン・タレント・キャンパス)と提携を結びTalent Campus Tokyo(TCT)として3回実施した後、2014年からはTalents Tokyoに改称しました。これまでに80名のアジアの優れたタレントたちが参加し、監督の講師(以下、エキスパート)ではホウ・シャオシェン(2010年)、ジャ・ジャンクー(2011年)、アピチャッポン・ウィーラセタクン(2012年)、ガリン・ヌグロホ(2013年)、諏訪敦彦(2014年)といったアジアを代表する名匠から少人数・非公開制という環境の下、直接指導を受けました。

 80名の修了生のうち、長編作品に限定した最近のわずかな事例を挙げるに留めますが、多くの修了生が飛躍を遂げています。
直近では、 先週23日にアメリカで発表されたピーボディ賞において、三宅響子(TCT2011)監督が2005年の福知山線事故を題材とした『Brakeless』で受賞しました(PBS「Independent Lens」で放映)。この賞は放送界のピューリッツァー賞として知られています。詳しくはこちら。
 http://www.peabodyawards.com/award-profile/independent-lens-brakeless

 2014年、NMT2010のフランシス・セイビヤー・パション監督「クロコダイル」はワールド・プレミア上映されたシネマラヤ映画祭(フィリピン)、そして第15回東京フィルメックス、フランス・アジア映画祭で最優秀作品賞を受賞しました。また5月のカンヌ映画祭シネフォンダシオン部門に平柳敦子(TCT2011)監督、曽我満寿美(TCT2011)プロデュースの『OH LUCY!』が選出され、第2位を受賞。

 2013年には、修了生の中からシンガポールのアンソニー・チェン(NMT2010、『ILO ILO』)、ポーンナット・ラッタナウィット(TCT2011、プロデュース作『カラオケ・ガール』)、ハンナ・エスピア(TCT2012、『トランジット』)の3名の長編デビュー作が世界的に知られる国際映画祭に選ばれました。『ILO ILO』はカンヌ映画祭監督週間、『カラオケ・ガール』はロッテルダム映画祭コンペティション、『トランジット』はフィリピンのシネマラヤ映画祭コンペティションにてワールド・プレミア上映され、同年11月には揃って東京フィルメックスのコンペティションで上映されました。A・チェンはカンヌ映画祭カメラ・ドール(最優秀新人監督賞)、台北金馬奨最優秀作品賞を含む4部門および東京フィルメックス観客賞など多数の映画祭で受賞し、H・エスピアはシネマラヤ映画祭で9部門受賞。『ILO ILO』と『トランジット』はそれぞれシンガポール、フィリピンから米アカデミー外国語映画賞の各国代表作品としてエントリーされました。

 また、インドネシアのモーリー・スルヤ(NMT2010)の長編2作目『愛を語るときに、語らないこと』もロッテルダム映画祭ブライト・フューチャー部門でワールドプレミア上映され、秋には東京国際映画祭ワールド・フォーカス部門でも上映される等、修了生の目覚ましい活躍が見られた1年でした。

■東京フィルメックス
 アジア及びおよび世界各国からの秀作を紹介することを目的に、2000年から始められた国際映画祭です。日本を含むアジアの新進作家によるコンペティション部門、世界の最先端を切り拓く映画作家たちによる特別招待作品部門、映画史に輝く珠玉の旧作を再検証する特集上映部門などがあります。

 新作、旧作を問わず、初めて日本の観客に紹介された多くの海外の映画作家や、東京フィルメックスをきっかけに世界へ発信された多数のアジア・日本映画などの実績により、プロフェッショナルや映画ファンからの高い評価を集めています。

・第16回東京フィルメックス 11月21日(土)〜11月29日(日)

http://www.filmex.net

* 過去のTalent Campus Tokyo(およびNext Masters)の模様はこちらのサイトでご覧ください。

< http://talents-tokyo.jp/ >

以上。

執筆者

Yasuhiro Togawa