北野武監督の17作目となる待望の新作『龍三と七人(しちにん)の子分たち』(配給:ワーナー・ブラザース映画/オフィス北野)は、引退した元ヤクザのジジイたちが、オレオレ詐欺や悪徳訪問販売でやりたい放題のガキどもと対決する、気分爽快“ジジイ大暴れエンタテインメント”!!平均年齢73歳(※映画公開時)の超ベテラン俳優たちが個性豊かでどこかチャーミングなジジイを演じ、軽快なテンポで進む本作。試写アンケート結果では、20代以下の若者からの満足度がどの世代よりも高く、女性層からも「おじいちゃん、可愛い!」という声が多発するなど、世代・性別を超えて楽しめる作品となっております。

 この度、本作の公開まで8週連続で公開するWEBマガジン「週刊 龍三セブン」ですが、今週末に全国公開をひかえ、最終号である第八号の配信が決定いたしました。「週刊 龍三セブン」では毎回各界の著名人を迎え、本作の見どころを語るロングインタビューと、本作に登場する大暴れジジイ8人を、毎週1人ずつ大フィーチャーする“今週のカバージジイ”を毎週配信しておりましたが、最終号のインタビューゲストとして、応援団からの声援に応え、何と北野武監督本人が登場!“ジジイ大暴れエンタテインメント”の本作について、自ら語りました。
 前作『アウトレイジ』シリーズからうって変わってコメディタッチの作品を撮った理由を「『アウトレイジ』で暴力がエスカレートしてきていたから、ワンクッション入れてストーリー性のあるものを作ろうかと思ってね」と語る北野監督。
続けて「介護しなきゃいけないようなジイさんが暴れたときのバカバカしさってのは昔から頭にあって、最近オレオレ詐欺なんかが増えてきて、ちょうどいいやって(笑)」と、以前から温めていた構想と、現在の時勢がマッチしたことで本作が誕生したことを教えてくれました。「年寄りは本当に“俺たちに明日はない”って思ってるから、やる気になったら一番怖いんだよ。」
 “大暴れジジイ”8人を演じたのは藤竜也、近藤正臣、中尾彬ら平均年齢73歳の超ベテラン俳優たち。彼らとの撮影を振り返り、「みんな耳が遠い」「カンペの字が小さいと読めねぇ」と爆笑エピソードを披露。しかし、「(キャスト陣の)腕は確かなんで。具体的な技術論で説明する必要がない。あまり演技に対しては文句言わなくて済んだ。」と、超ベテラン俳優陣の確かな実力に手応えを感じていたことを話してくれました。
 大爆笑のコメディタッチの作品でありながら、物語が進むにつれ孤独なジジイたちの姿が、鈴木慶一によるバンドネオンの音色も相まって哀愁さえも感じさせることを「孤独なジイさんたちが若いやつらに騙されてっていう悲しい話でもあるんだよね。初めは大爆笑でいいんだけど、そのうち悲しい部分もあるって気づいてもらえれば、こっちの作戦通りだね。」と、“ジジイ大暴れエンタテインメント”である本作が持つもう一つの顔も語ってくれました。 
 
 インタビューと並行して毎週1人ずつジジイを徹底紹介する「今週のカバージジイ」。最終号は、戦争に行ったこともないのに、自分が特攻志願兵だったと思い込み、現在も軍服を身につけ小さなメガホンで大企業に罵声を浴びせ続ける元親分、「神風のヤス(小野寺昭)」を紹介しております。

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執筆者

Yasuhiro Togawa