『未来を生きる君たちへ』でアカデミー賞に輝いた、デンマークの女性監督スサンネ・ビアと脚本家アナス・トーマス・イェンセンのコンビによるに最新作『真夜中のゆりかご』は、妻子に囲まれた幸せの絶頂から突如、突き落とされた刑事の選んだ行動が波紋を投げ、二転三転のさらなる衝撃を乗り越え彼の魂が救済されるまでをスリリングに、そして北欧の情景豊かに描き出していく北欧サスペンスの醍醐味を備えた傑作ドラマ。

近年ハリウッドでも活躍するビア監督が母国デンマークを舞台に育児放棄、ドラッグ中毒、家庭内暴力など、現代社会に蔓延する問題を随所に盛り込み、過去作『ある愛の風景』、『アフター・ウェディング』に通じる鋭い人間観察と心を揺さぶる精密な心理描写で、観客の倫理観を揺さぶり、いつまでも心に深い余韻を残します。

主演は、リドリー・スコット監督『ブラックホーク・ダウン』やトム・クルーズ主演『オブリビオン』などハリウッド大作でも活躍し、アメリカ HBO 製作 2014 年エミー賞19 部門ノミネートのアクション・スペクタクル巨編『ゲーム・オブ・スローンズ』のジェイミー・ラニスター役で世界的に人気急上昇中のデンマークのニコライ・コスター=ワルドー。葛藤にもがく刑事にして父を演じ、確かな演技を披露している。

ジェニファー・ローレンス、ブラッドリー・クーパー出演「Serena」の公開も待たれるスサンネ・ビア監督。悲劇が善悪の境界線を曖昧にする時、人は、どこまで正義を見失わずにいれるのだろうか?

『ぼくのエリ 200 歳の少女』、『ミレニアム』シリーズ、に続く、北欧サスペンスの傑作『真夜中のゆりかご』がついに日本で公開されます。

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執筆者

Yasuhiro Togawa