アカデミー賞の前哨戦としても注目度の高い本賞へのサブライズノミネートで、一気に注目となった『パレードへようこそ。』今回の最多ノミネート作品・アレハンドロ・G・イニャリトゥ監督の『バードマン あるいは(無知がもたらす予期せぬ奇跡)』(7部門ノミネート)と同じ、コメディ・ミュージカル部門にノミネートされ、大本命作品を脅かすダークホースとなるか!?

たったひとつの小さなアイデアが、人と人との思いをつなぎ世界を変えていく—
1984年夏、サッチャー政権下のイギリス。ある朝、炭坑労働者のストライキのニュースを見たマークは素晴らしいアイデアを思いつく。それは、炭坑労働者の家族を救うために、ロンドンで仲間たちと募金活動をするということだった。しかし、苦労して集めた彼らのお金を受け入れる炭坑の団体は皆無だった…なぜなら、マークたちはゲイとレズビアンの活動家グループで、彼らの支援を受けることを炭坑の団体が困惑したからだ。だが、マークたち若い活動家はくじけない。組合を無視して直接労働者たちに働きかけ、ウェールズ奥地の炭坑村を探し当てると、直接自分たちの手で寄付金を渡そうとロンドンからミニバスでウェールズに向かう…。

世界各国で『リトル・ダンサー』『ブラス!』を彷彿とさせる、ハートウォーミングな感動作と観客や批評家双方から絶賛された本作がいよいよ日本公開。80年代の名曲に乗せて、トニー賞受賞のマシュー・ウォーカス監督が、笑いと感動に満ちた実話を軽快にドラマティックに描く。ビル・ナイ(『ラブ・アクチュアリー』)やイメルダ・スタウントン(『ハリー・ポッター』シリーズ、『ヴェラ・ドレイク』)らイギリス名優たちの奥深さと、「シャーロック」で人気のアンドリュー・スコット、出演作の公開が相次ぐイギリス俳優ジョージ・マッケイ(『サンシャイン 歌声が響く街』)や注目のアメリカ俳優ベン・シュネッツァーなど若手俳優のパワーあふれる演技が、シリアスな物語の中に痛快な笑いを呼び起こす。立場や世代、境遇の異なる人たちが、誤解や衝突を乗り越えながら、お互いに理解と共感を深め、生きるために必要な権利を守るため手を取り合っていく姿に励まされる。人と人とのあたたかで強い絆が、世界を変えていく—心に永遠に刻まれる感動の史実。

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執筆者

Yasuhiro Togawa