もしも「パリ」が消えていたら———世界は変わっていただろう。
第二次世界大戦末期、実際に計画されたヒトラーのパリ壊滅作戦。
この美しき街を守ったのは、一人の男の一世一代の「駆け引き」だった。

この度、仏独合作の話題作『パリよ、永遠に』が2015年3月7日より、Bunkamuraル・シネマ、ヒューマントラストシネマ有楽町ほか全国公開の運びとなり、日本版のポスタービジュアルが決定いたしました。

エッフェル塔も、凱旋門も、オペラ座も。すべての建造物は破壊される運命にあった。第二次世界大戦末期、ナチス・ドイツ占領下で実際に計画されたパリ壊滅作戦。敗戦濃厚となったヒトラーは、パリの美しさに魅了されたばかりに、「敵に渡すくらいなら、パリを燃やし尽くせ」と命じる。しかし作戦は最後の最後、まさにギリギリで回避される。パリはなぜ壊滅をまぬがれたのか? そこにはパリの破壊を命じられた男とパリを守りたい男との歴史に残る出会いがあった。

本作は、この知られざる史実を描きフランスで大ヒットした舞台 “Diplomatie”の映画化。監督は、前作『シャトーブリアンからの手紙』でもナチス占領下フランスを描いた名匠フォルカー・シュレンドルフ。本作では、ナチス占領下フランスの末期におこったこの史実を、パリ爆破まであと数時間に迫った一夜に凝縮し、パリの破壊を命じられたドイツ軍将校とパリを守りたいスウェーデン総領事との、時に緊迫した攻防、時にユーモアとウィットに富んだ駆け引きを、テンポ良く切り取った見事な演出で、観客を魅了する。

スウェーデン総領事ノルドリンクにはアンドレ・デュソリエ。ドイツ軍将校コルティッツを演じるのはニエル・アレストリュプ。どちらもフランスきっての名優で、舞台から続くコンビ。キャラクターを熟知した二人だからこそのアンサンブルに、スクリーンから目が離せない。
この度完成したビジュアルは、コルティッツを説得しようとしているノルドリンクの駆け引きの写真の上に、今なおパリの象徴として存在しているエッフェル塔が重ねられているもの。もしノルドリンクの駆け引きが失敗に終わっていたら、エッフェル塔は破壊され、世界一の観光都市パリの今の姿はなかったにちがいない。そんなことを想像しながら、2人の男のパリをめぐるスリリングな駆け引きを描いた本作、ぜひ公開を楽しみにしてほしい。

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執筆者

Yasuhiro Togawa