この度、『リュック・フェラーリ ーある抽象的リアリストの肖像』の宮岡秀行監督による現代音楽ドキュメンタリーシリーズ最新作『井上郷子 ピアノの瞬間』が、12月26日に両国門天ホールにて一日限りのプレミア上映されることとなりました。

当日は、井上郷子さんによるピアノコンサートもございます。サントリー音楽賞を受賞した「バニータ・マーカスのために」や、ドイツWDRでの貴重なレコーディング場面を記録した貴重な音楽ドキュメンタリーです。

ドキュメンタリー「井上郷子ピアノの瞬間(とき)」上映会

2014年12月26日(金)19:00開演(18:30開場)

第一部   ドキュメンタリー上映/ 94分 ※宮岡秀行舞台挨拶(予定)
第二部   ピアノコンサート: 井上郷子/ 30分

料金    前売2,500円  学生・門天会員2,000円 (当日500円up)
会場:両国門天ホール
〒130-0026 東京都墨田区両国1-3-9ムラサワビル1-1階

予約問合わせ 03-6666-9491 Eメール ticket@monten.jp
ホームページ http://www.monten.jp/

主催: ドキュメンタリー「井上郷子ピアノの瞬間(とき)」上映実行委員会

井上郷子の演奏活動を十年がかりで撮影したドキュメンタリー。主にケージやフェルドマンのアメリカ実験主義音楽、近藤譲との問答を軸に、井上郷子の唯一無二のピアニズムが浮かびあがる。
すべての音楽を繊細で穏やかな一音に豹変させる井上郷子の「ピアノの瞬間」に寄りそうキャメラは、音を視て、光と翳に耳をそばだてる。音を聴き出すとは、音楽の魔とは・・・この謎を、この映画は、その淡々とした濃密さによって、可視化しているのだ。

「井上郷子ピアノの瞬間(とき)」2014/HD/94min.
出演:井上郷子 (ピアニスト)/伊藤祐二 (作曲家/nothing but music ディレクター)/スティーブン・ドゥルーリーStephen Drury (ピアニスト)/近藤譲 (作曲家)/松平頼暁 (作曲家)/田中聰 (作曲家)/鈴木治行 (作曲家)/クンス・シム Kunsu Shim (作曲家)/ジョン・マクラクラン John McLachlan (作曲家)/黒崎八重子 (両国門天ホール支配人)/下田展久 (C.A.P. ディレクター)/松倉利之 (パーカッショニスト)/リュック・フェラーリ Luc Ferrari(作曲家)
プロデューサー:平島進史/制作 スタジオ・マラパルテ/再編集:唐津正樹、上原拓治/音楽録音:小島幸雄、 岩渕聡、伊藤祐二/整音:黒川博光/音響監督:岩渕聡/編集・画質調整・追加撮影:岩崎祐
監督・撮影・録音:宮岡秀行

◇プロフィール
井上郷子:ピアニスト。東京学芸大学大学院作曲科修了。ムジカ・プラクティカ・アンサンブルのメンバーを経て、1991年よりソロ活動を始める。“Satoko Plays Japan”をはじめとする多くのリサイタルを行ない、特に、近藤譲ピアノ作品・全曲演奏やモートン・フェルドマン作品の演奏等で高い評価を受ける。海外では、ISCM(ルーマニア)などの国際現代音楽祭からの招聘をはじめ、アメリカ合衆国、フランス、ドイツ、イタリア、スペイン、スイス、アイルランド、ルーマニア、トルコ、エジプト、アルゼンチンでソロリサイタルを行なうとともに、リール大学(フランス)、カリフォルニア芸術大学(アメリカ)などのマスタークラスで講師を務める。2008年よりコンサート・シリーズ“Music Documents”(東京)を企画・制作、年3回のコンサートを継続している。ソロCDアルバムとして、これまでにHatHut Records(スイス)、Edition Hundertmark(ドイツ)、ALM Records(日本)、Emec Discos(スペイン)から計6タイトルが出版されている。第10回佐治敬三賞(サントリー芸術財団)受賞。現在、国立音楽大学准教授。

宮岡秀行:映画作家。1967年広島生まれ。96年にビクトル・エリセ、ジョナス・メカスら映画作家の元を訪れ撮影したオムニバス作品『セレブレートシネマ101』を発表。98年『モレク神』(アレクサンドル・ソクーロフ監督)の助監督として渡露。98年から01年まで広島県三原市の沖合にある佐木島で、映像セミナー&ワークショップ「鷺ポイエーシス」を企画。01年からアートドキュメンタリー番組Edge(SKY Perfect TV!)ディレクターを務める。映像制作という表現媒体を異質なものが干渉しあう場だと捉え、国内外の“ポイエーシス(創造)”の現場を記録している。主な監督作品に『母モニカ−for a film unfinished』(三好暁と共作/04/2005年ロッテルダム国際映画祭出品)、『リュック・フェラーリ−ある抽象的リアリストの肖像』(05)など。最新作は田中泯らのライブ・ビューイング『ブレスパッセージ2014』、広島のミニシアター移転記念製作『サロンシネマ物語』、10年の歳月をかけ撮影・完成に至った『井上郷子ピアノの瞬間(とき)』ほか、CM製作にも着手。

関連作品

http://data.cinematopics.com/?p=53339

執筆者

Yasuhiro Togawa