11/22(土)からスタートした下北沢トリウッドの開館 15 周年特別企画「トリウッド 冬のアニメ祭り」にて、「出自」や「居場所」をテーマにした韓国が舞台のアニメーション 2 作品を上映!
まず 1 つ目は、2012 年にインディーズ・アニメーションとしては異例の韓国国内でのロードショーを実現し、サンパウロ、ワルシャワ、メルボルンなど各地の国際映画祭にも出品され全州国際映画祭では受賞も果たした、<サバ>が主役の話題作『パタパタ』。日本ではイベントなどで上映のみに留まっていましたが、今回晴れてレイトショーが実現しました。

そして 2 つ目は、トリウッド配給で 2012 年 12 月に公開され、多くの感動を呼ぶと共に、2013 年の第 17 回文化庁メディア芸術祭ではアニメーション部門の大賞を受賞した「ドキュメンタリー×アニメーション」のハイブリッド映画『はちみつ色のユン』。朝鮮戦争後に韓国から国際養子としてベルギーに渡ったユン監督の自伝的バンド・デシネを映画化。初公開から 2 年経った今でも全国各地で上映されている作品がトリウッドに戻ってきました。
トリウッドでしか観られない、韓国発の“サバ”アニメと、国際養子として韓国を離れた主人公を描く「ドキュメンタリー×アニメーション」を、この機会にぜひご覧下さい!

『パタパタ』[2012/78 分]
第 13 回全州国際映画祭 受賞作品/第 28 回ワルシャワ国際映画祭 出品作品
監督:イ・デヒ 提供:INDIESTORY INC./KIAFA 協力:シネマコリア
http://indiestory.com/eng/film/film_view.asp?film_idx=1394(英語)
<ストーリー>
パタパタは、海で捕獲されたサバ。
海辺の海鮮料理店に運ばれ、タイ、アイナメ、穴子、ヒラメ達と一緒の生簀に入れられる。
パタパタは、海に戻るためガラスを割ろうと必死に動きまわるが、養殖育ちの他の魚たちは、調理されそうになると死んだふりをしたり、水槽の中で生き残ることを考えるだけ。
しかし、自由を取り戻したいと願い、挑戦を繰り返すパタパタの熱意が、水槽の中に変化をもたらす。
アイナメは自由を願うようになり、養殖なのに出自を隠し、水槽という小さい群れを支配しながら生きているオールドヒラメのひねくれた心も変化していく。 パタパタ、そして魚達は自由を取り戻せるのか!

<解説>
海育ち・養殖といった出身地、食用・観賞用といった職業に対する差別意識や、個人の意志や自由への渇望に対する、閉鎖的なムラ社会の堕落や腐敗を、魚たちを擬人化したアニメーションで描き、2012 年に韓国で話題を呼んだ作品が日本で初の一般公開。
魚の皮膚や動き、水槽の中からの風景といったアニメーション描写は眼を見張り、魚たちはあくまで可愛らしく描かれているが、彼らが捌かれる箇所もキチンと描かれ、我々が「彼らを食料としていただいている」ということが実感できます。
シリアスなテーマと、擬人化された魚たち、そして随所に挿入されるミュージカルパートが上手く繋げられ、2013 年には韓国のアニメーション映画祭で数々の受賞を果たした『パタパタ』がいよいよ日本に登場です。

2014 年 12 月 6 日(土)〜2014 年 12 月 19 日(金) 連日 20:00 より ※短編作品『コップの中の子牛』を本編前に上映
一般 1,300 円 学生・シニア 1,100 円

『はちみつ色のユン』
[2012/フランス・ベルギー・韓国・スイス/75 分]
第 17 回文化庁メディア芸術祭・アニメーション部門 大賞受賞作品
原作:ユン「Couleue de peau : Miel」
監督・脚本:ユン、ローラン・ボアロー 配給:トリウッド、オフィスH
http://hachimitsu-jung.com
◯あらすじ
1960 年代から 1970 年代にかけて、朝鮮戦争の影響により韓国の子どもたち約 20 万人が養子として外国に渡った。
ベルギーの家族に温かく迎え入れられたユンは、初めておなかいっぱいになるまでごはんを食べ、おもちゃで遊び、絵を描く才能を開花させる。
そんなある日、韓国から養女ヴァレリーがやって来た。ヴァレリーの出現は、ユンが自分は何者なのかを考えるきっかけとなる。

2014 年 11 月 22 日(土)〜12 月 5 日(金)
14:00『はちみつ色のユン』/15:30『しわ』/17:15『はちみつ色のユン』
一般 1 作品 1,300 円/2 作品 1,700 円 学生 1 作品 1,200 円/2 作品 1,500 円

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執筆者

Yasuhiro TogawaYasuhiro Togawa