本日、11月22日(土)台北の 国父記念館にて、台湾最大にして世界でも歴史ある映画賞のひとつ、第51回金馬奨の受賞式が行われ、『KANO〜1931海の向こうの甲子園〜』(2015年1月24日公開)は、<最優秀作品賞><主演男優賞(永瀬正敏)><新人賞(ツァオ・ヨウニン)><新人監督賞(マー・ジーシアン)><衣裳デザイン賞><オリジナル楽曲賞>の主要6部門にノミネート。11月21日には、<観客賞>と<国際映画批評家連盟賞>の2つの賞を受賞しました。金馬奨の歴史の中で、この2つの賞を一つの作品が受賞するのは初めての快挙となります。

■主演永瀬正敏 喜びのコメント (嘉義農林学校野球部監督・近藤表太郎役)
観客賞は、審査員ではなく、見に来てくれたお客様が作品を選ぶものなので、特別な嬉しさがあります。
たくさんこの作品を観に来ていただいたという事なので、とても有難いです。
(観客賞のトロフィーを掲げ)トロフィーは重い!51年の重みがあります。

映画『KANO〜1931海の向こうの甲子園〜』が、観客賞を受賞するのは、今年の3月に行われた第9回大阪アジアン映画祭、7月に行われた第16回台北映画祭に続き、3度目となる。

金馬奨51年の歴史で初の快挙!
セリフは日本語、それでも「主演男優賞」にノミネートされた永瀬正敏の実力

なお、永瀬正敏が日本人として主演男優賞にノミネートされたことは、中華圏3大映画アワードであり、台湾のアカデミー賞と呼ばれる<金馬奨>51年の歴史で初めての快挙。また、金馬奨は「中国語」映画を対象としている台湾のアカデミー賞。にもかかわらず、「日本統治下の台湾」という設定から、劇中セリフの9割が日本語という本作が主要部門に、さらにはすべて日本語のセリフだった永瀬正敏が主演男優賞にノミネートされたということは、そのハンデをものともせぬほど、本作が高く評価されているあらわれ。永瀬正敏も本作への想い入れは強く、台湾でのキャンペーンに積極的に参加するだけでなく、撮影期間中に自身のカメラで撮影した写真集「This Moment」を台湾で発売、写真展も開催した。

また、金馬奨では、本作のプロデューサーであるジミー・ファンが、今年、台湾で最も活躍した映画人に贈られる栄誉を受ける事になり、本作のもう一人のプロデューサーであるウェイ・ダーションが、プレゼンターとして登場する一幕もありました。

※金馬奨とはー1962年創設された、台湾を代表する映画賞。歴代の受賞作品の質の高さには、定評がある。台湾のアカデミー賞とも称される、世界から注目されている映画賞。永瀬正敏が出演していた「牯嶺街(クーリンチェ)少年殺人事件」は、1991年の最優秀作品賞、2007年本作プロデューサーのウェイ・ダーションの監督した「海角七号 君想う、国境の南」が助演男優賞、2011年ウェイ氏監督で本作では監督のマー・ジーシアンが出演している「セデック・バレ」が最優秀作品賞を受賞している。

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執筆者

Yasuhiro Togawa