小学館「月刊フラワーズ」にて大人気連載中、発行部数累計250万部を誇る吉田秋生のコミック「海街diary」。この度、東宝・ギャガが共同配給する是枝裕和監督による映画化『海街diary』の公開日が、2015年6月13日(土)に決定し、豪華なキャスト陣が勢ぞろいいたしました。
 

①大竹しのぶ/ 佐々木都役
幸(綾瀬はるか)、佳乃(長澤まさみ)、千佳(夏帆)の実母。

②堤真一 /椎名和也役
看護師の長女幸(綾瀬はるか)が働く市民病院の小児科医。

③加瀬亮/坂下美海役
信用金庫で働く次女佳乃(長澤まさみ)の上司。

④風吹ジュン/二ノ宮さち子役
幸、佳乃、千佳が幼いころから通っている海猫食堂の店主。

⑤リリー・フランキー/福田仙一役
喫茶店・山猫亭の店主。

⑥前田旺志郎/尾崎風太役
四女すず(広瀬すず)の同級生で、所属する湘南オクトパスのチームメイト。

⑦鈴木亮平/井上泰之役
四女すず(広瀬すず)が所属する湘南オクトパスの監督。幸(綾瀬はるか)の働く病院にリハビリ医として勤務。

⑧池田貴史/浜田三蔵役 
三女千佳(夏帆)が働くスポーツマックスの店長。

⑨坂口健太郎/藤井朋章役
次女佳乃(長澤まさみ)の年下の恋人。

長女の幸(綾瀬はるか)、次女の佳乃(長澤まさみ)、三女の千佳(夏帆)と離れて暮らす実母・都役には数多くの受賞歴を誇る日本を代表する女優・大竹しのぶ。離婚し、夫が家を出ていった後自らも再婚。まだ子供だった娘たちを母親に預けて家を出ていってしまった母を演じる。大竹さんは是枝作品に初出演となったことについて、「是枝監督とは、監督がデビューする前からの知り合いだったのですが、なかなか御一緒できなくて、今回やっと実現できて本当に嬉しいです。想像していたとおり、細やかで優しくて丁寧に映画を作っていらして、感動しました。」とコメント、3姉妹の母親役として演じられた心境については、「娘三人を見ていると本当に、あー、可愛らしくて、美しいなと思います。この子達がやがて結婚して子供を産んで、幸せな家庭を作っていって欲しいと心から祈る自分がいました。」と撮影時の心境を明かしています。また、3姉妹については、「とにかくみんな綺麗で、可愛らしいくて、あんな四人がいたらお家の中は、華やかだろうなと思います。」とコメントし、「私も四人姉妹で、父や母も色々心配しただろうな、こんな気持ちだったのかな、と思ったりしました。」と自身の思い出も振り返りました。一方、4女すずの異母という役を演じられた大竹さんですが、広瀬さんについては、「名前の通り、可愛らしく、涼やかな女の子でした。でも、しっかりしていて、このまま素直に美しい心で、大人の女性になって欲しいな思います。」と語っており、今後の広瀬さんの活躍を期待する様子が伺えます。世界で絶賛される是枝監督の最新作である本作については、「日本の風土における、日本人にしかない心の機微を監督にしか描けない世界をこれからも作っていって欲しいと思います。」とコメントを寄せています。
そして、看護師の長女・幸が働く市民病院の小児科医で、別居中の妻がいながらも幸と心を寄せ合う椎名和也役を、演劇、ドラマ、映画など幅広い分野で活躍する俳優・堤真一が好演。大竹しのぶ、堤真一ともに、是枝裕和監督の作品に出演するのは初となります。

「一言で言うなら、是枝監督は「こだわりの人」です。とてもおだやかな方なのですが、照明やセットの細部にまで徹底的にこだわる姿勢からは、作品に対する並々ならぬエネルギーがあふれていました。とてもプロフェッショナルな空気に満ちた現場は、居心地がよくて楽しかったです。」と現場を振り返り、「今回、僕は、短期間に集中した撮影だったのですが、最後に監督から「またガッツリ一緒にやりましょう」と、とても光栄な言葉をかけていただき、参加してよかったと思いました。」とコメントした。

その他共演陣には、次女の佳乃が働く信用金庫の上司・坂下美海役に、本作が是枝作品4作目の出演となる実力派俳優の加瀬亮、4姉妹が住む鎌倉にある飲食店、海猫食堂の店主・二ノ宮さち子役には確かな演技力と唯一無二の存在感で活躍し続ける女優の風吹ジュン、山猫亭の店主・福田仙一役には『そして父になる』で日本アカデミー賞最優秀助演男優賞に輝き、俳優としての実力も高く評価されているリリー・フランキー、四女すずの同級生で、湘南オクトパスのチームメイトの尾崎風太役には、その高い演技力が評価された映画デビュー作『奇跡』以来2度目の是枝組参加となる前田旺志郎、四女のすずが所属するサッカーチーム湘南オクトパスの監督・井上泰之役には朝の連続テレビ小説をきっかけに人気急上昇中の若手実力派俳優の鈴木亮平、三女の千佳が働くスポーツマックスの店長の浜田三蔵役に音楽バンドSUPER BUTTER DOGのメンバーとして活躍、現在はソロプロジェクト・レキシとして熱狂的な人気を博す池田貴史、次女の佳乃の年下の恋人の藤井朋章役には、「MEN’S NON-NO」専属モデルとして活動する傍ら、『シャンティ・デイズ 365日、幸せな呼吸』など俳優として好演を魅せ、将来を期待される若手俳優の坂口健太郎と、実力、人気、評価の高い豪華共演陣が勢揃い致しました。

本作で監督・脚本を務める是枝監督は、この実力派俳優たちについて、「うまい役者さんというのは主役もはれるけれど、脇にも回れる人のことだと思います。自分だけがいい芝居をすればいいというのではなく、ちゃんと物語の中で生きて主演を立たせる。今回はそういった俳優陣を配置させてもらいました。」と語っており、是枝監督にとって納得のいくキャスティングとなった様子が伺えます。

以下、是枝監督よりキャスト別コメントとなります。

○大竹しのぶさん
実はかなり以前に大竹さんの舞台のメイキング撮影をしたことがあり、その後も是非ご一緒したいと思っていた女優さん。本作は4姉妹を中心にした女性たちの映画であると考えていて、姉妹たちと対比する上の世代の女性たちが大事な役割を担いますので、どう現実感を伴うかたちでキャスティングするかは重要でした。その中で大竹さん演じる幸、佳乃、千佳の3姉妹の母、都はとても重要な役。弱いところを出してしまう女性としての湿り気もありつつ、決して憎めない愛する対象でもある、表現するのがとても難しい役どころだと思う。都を演じた大竹さんはそのバランスが絶妙で素晴らしかったです。幸が少女時代を経て、母性を獲得する話と捉えた場合、都の存在が鍵となる。それまで許せなかった都を受け止める糸口をみつけ、幸は一歩大人になる。二人が向き合う芝居は本作の見せ場のひとつになったと思います。

○堤真一さん
ご一緒する機会をうかがっていた俳優さんの一人です。これまでタイミングがあわなかったけれど、やっと実現しました。主人公4姉妹にそれぞれ重要な男性がいて、それぞれどういう人に演じてもらうかすごく考えました。堤さん演じた椎名は、幸が妻になるかどうかという人生の岐路に立ったときに、どういう選択をするかに重要な絡み方をする人。自分を律して生きている幸が唯一肩の力を抜いて女性的な部分を出せる相手ではあるが、そこはウェットには描きたくなかった。そのあたりの匙加減がさすがで、二人とも現場でもリラックスして演じてくれて作品のトーンに馴染んでくれたと思います。

○加瀬亮さん
自分の初期作品から何度か撮らせてもらっている。各年代でご一緒したい俳優さんの一人。お互いにそのときそのときで今後とも関わっていきたく、繰り返し起用させてもらいたいと思っています。

○風吹ジュンさん
風吹さんが演じる二ノ宮さんの役は今回の映画で一番膨らました人物であり、実は物語の中心にいる。彼女が”海街そのもの“。「海街」を象徴できる柔らかさと芯の強さを表現できる方を、と思ってお願いしました。スイッチ入ったときの風吹さんのお芝居にはいつも心奪われます。

○リリー・フランキーさん
リリーさん今後全作品出ていただけるっていう約束をしてくれたので!今回もよかったです。

○前田旺志郎さん
風太の役は悩みましたけど、撮ってみたら彼しかいなかったと思わされました。自分の恋愛感情に無自覚でありながら少し女子の前で詰まってしまう絶妙な中学生男子の感じがよくでていて、すずとのかけあいが爽やかで愛おしい。どのシーンも素晴らしく撮れています。彼は本当に希有な存在です。

○鈴木亮平さん
この作品で初めてお会いしてみてキャスティングを決めました。現場でもすごく自然体の素敵な人で、今回をきっかけに今後もっと一緒に仕事していきたい俳優さんです。

○池田貴史さん
飛び道具です。髪型ももちろんありましたが(笑)。千佳と浜田店長のかけ合いが作品の中で一番遊べるところであり、現場で固まらせず、ライブ感を楽しめるミュージシャンか芸人さんか、と考えていましたが、狙い通りとても楽しい現場でした。池田さんは間のとりかたが音楽的で感覚的に優れていてすごくよかったです。

○坂口健太郎さん
オーディションで出会いました。原作の朋章とは変えていますが、大事だったのは彼にまとわせる雰囲気。どこかしら影があり、どこかしら悪い部分があるところ。佳乃が惹かれる男性というのは大事で、幸が好きになる男性と対比を考えてキャスティングし、とても成功したと思います。

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執筆者

Yasuhiro TogawaYasuhiro Togawa